ディズニーランドに学ぶ、待ちを科学して顧客満足を得る

画像: Laika ac

2012.11.13

経営・マネジメント

ディズニーランドに学ぶ、待ちを科学して顧客満足を得る

松井 拓己
松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト

感動サービス、リピートサービスの代名詞ともいえるディズニーランド。冷静に考えれば大半の時間を待たされているにもかかわらず、帰る時には誰もが「また来ようね!」と大満足している。なぜこんなに待たされても、お客様は大満足してくれるのか?その理由から、顧客満足を得るためのヒントを考えてみたいと思います。

『ちょっとずつ進む行列』
 アトラクション待ちの通路は約1m幅で仕切られている場所が多いそうです。その理由は、2人でおしゃべりしながらも、整列して「ちょっとずつ進むこと」を実感できるようにするためだと言われています。確かに「進んでいる実感」があることで、ただ単にその場で待たされるよりも遥かにイライラが軽減されますよね。高速道路の渋滞でも、同じ様な経験のある方は多いのではないでしょうか。

『待っている間も楽しめる』
 待っている間も園内を見渡せば、キャラクターがいたり、楽しい装飾・知る人ぞ知る装飾が施されていて、眺めているだけでも十分に楽しめるようになっています。そうすることで「何か面白いものが見つけられるかも」と、宝探しをするように「待ち時間を楽しむ」ことができます。
 同じ様な例では、人気洋菓子店であえて製菓プロセスをガラス張りで見えるようにすることで、行列に並びながら次々とお菓子が作られる様子を楽しめるように工夫していたりします。

 このようにディズニーランドでは、お客様が大半の時間を使う「待ち」に対して様々な工夫をしています。また同様の工夫は、実は日常生活の中でも見つけることができそうです。しかし、これまでに見てきたような待ちへの工夫をそのままマネしてみても、なかなか成果に繋がらないと苦労されている方も多いのではないでしょうか?
 そこで、待ちについてもう少し論理的に捉えることで、自社サービス向上に活かせるヒントを探ってみたいと思います。

■待ちを科学するとポイントが見えてくる

 ところで、「待ち」にはどんな種類があるのか?という視点で、待ちの対策のヒントを見てみましょう。

 待ちは、大きくは「無くせる待ち」と「無くせない待ち」に分解できます。さらに「無くせない待ち」は、「短くできる待ち」と、「これ以上短くできない待ち」に分けられます。
 このように分解してみると、まずはもちろん「無くせる待ち」「短くできる待ち」をできるだけ短くする努力をしなければなりませんが、それでも「無くせない待ち」は必ず残ることに気が付きます。つまり、お客様が待たされても満足してくれるかどうかは、ただ単に待ち時間を短くする工夫だけではダメで、「無くせない待ち」に対してどのような工夫ができるかにかかっているということです。

 案外、こういった考え方で待ちへの対策をされているケースは少なく、ひたすらに「待ち時間を短くしよう!」「迅速なサービスを提供しよう!」と必死に努力をされてご苦労なさっている方が多いのではと思います。

次のページ■待ちの対策、何から始めたら良いの?

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松井 拓己

松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト

サービス改革の専門家として、業種を問わず数々の企業を支援。国や自治体の外部委員・アドバイザー、日本サービス大賞の選考委員、東京工業大学サービスイノベーションコース非常勤講師、サービス学会理事、サービス研究会のコーディネーター、企業の社外取締役、なども務める。           代表著書:日本の優れたサービス1―選ばれ続ける6つのポイント、日本の優れたサービス2―6つの壁を乗り越える変革力、サービスイノベーション実践論ーサービスモデルで考える7つの経営革新

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