グローバル人材育成リアルタイム マサチューセッツ大学の挑戦

2012.08.02

組織・人材

グローバル人材育成リアルタイム マサチューセッツ大学の挑戦

木田 知廣
シンメトリー・ジャパン株式会社 代表

グローバル人材の必要性がビジネス界で言われて久しいわけですが、常に悩みになるのが、  「そうは言っても、英語できないじゃん」 というもの。 この悩みを乗り越える面白い試みが、マサチューセッツ大学ローウェル校が提供するオンラインMBAプログラムです。 このプログラムに講師として関わる立場から、グローバル人材育成のリアルな感想を共有します。

●まずは日本語でコンテンツを学ぶ
「オンライン上で」、「英語により」、MBAの取得が可能というのは類似のプログラムがありますが、マサチューセッツ大学ローウェル校(University of Massachusetts Lowell, 以下UMassと略します)のカリキュラムはユニークなアプローチをとっています。それが、

 まずは日本語でコンテンツをしっかり教える

というもの。

たしかに、普通の日本人がいきなり英語のプログラムに放り込まれても、右往左往するのは目に見えています。

実際、私自身、「英語が出来たら、もっと勉強になったのになー」と口惜しい想いでビジネススクール時代を振り返ることも少なくありません。

ちなみに、私の留学時の英語力はTOEIC630点、GMAT700点ですから、日本人としてはまあまあ英語は出来る方でしょう。

それでも、いきなり英語のカリキュラムに放り込まれると何が起こるかというと、

 ・先生の話は分かる

でも、

 ・クラスメートとディスカッションできない

という状態です。

MBAの本質は知識のインプットではなく、アウトプットしながら知識を内面化することにあるわけですから、これでは十分な学びの効果が得られなかったのは言うまでもないでしょう。

でも、です。

でも、もし、事前に知識を持っていたのであれば、たとえばそれは、ファイナンスであればDCFやWACCなどの専門的なコンセプトをマスターしていると言うことですが、クラスメートとのディスカッションがもっと本質的なものになったのではないかと思うのです。

この観点において、まずは日本語でコンテンツを学ばせるという UMassのアプローチは極めて効果的であると評価します。

●意外と異なる日米での世界観
ただ、実はこれは新たな問題も引きおこして、とくにそれは私が講義を担当する「組織行動論 Organizational Behavior」で顕著です。

というのは、米国発のコンセプトを、日本語で、日本人に納得するように教えなければならないから。

先ほど例に挙げたファイナンスであれば、比較的このようなことは問題にならないかもしれません。DCFは米国だろうが日本だろうがDCFだし、WACCもまたしかり。

ところが、組織行動論の場合、「有機的な組織 (Organic Structures)」と「機械的な組織 (Mechanistic Structures)」を対立軸で捉えている米国発のテキストを前に、悩んでしまうのです。

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木田 知廣

木田 知廣

シンメトリー・ジャパン株式会社 代表

経営大学院立ち上げという類まれなる経験をした「人材育成のプロ」

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