「トップバイヤーのための4つの素養」

2012.07.23

経営・マネジメント

「トップバイヤーのための4つの素養」

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

私はトップバイヤーの4つの素養は「徹底力」「情報力」「コミュニケーション力」「頼られ力」だと考えています。

今年の2月に改革推進者のための4つの力ということで「意識」「手法」「実行力」「インフラ」という話をしました。

私はどちらかというとバイヤー個人のスキル向上を組織としてどう高めていく、育てていくかという企業や組織改革を支援する仕事をしていますので、普段はあまりバイヤー個々人について例えば、意識はこうあるべき的な話はしません。一方で最近研修をやっている中でちょっといかがなモノか(例えば調達購買関連のニュースに対するアンテナの低さ等)、と感じることも多く今回はバイヤー個々人の素養について書きます。

私はトップバイヤーの4つの素養は「徹底力」「情報力」「コミュニケーション力」「頼られ力」だと考えています。

1つ目の「徹底力」については以前「しつこさ」というテーマで書かせていただいた内容です。
調達購買業務は、時には、社内の実力者や設計部門の部長を説き伏せ、時には言うことを聞かないサプライヤを説き伏せ、動かす力が必要です。どうやってそれを実現するか?人それぞれスタイルはあることでしょう。ただ共通して言えることは、優秀なバイヤーは「しつこさ」や「徹底力」を持っていることです。
細かい文書化や整備されたルールを徹底すること、徹底するだけではなく、他人に徹底させること。それを実行させることによる将来的なメリットを確信して自分が納得できるまで「しつこく」こだわること。もしくは、サプライヤ選定や価格決定について本当に最適な意思決定なのか、あらゆる面から「徹底的に」検証しつづけるこだわり。「やりすぎだろ」、と言われるくらいの「しつこさ」これが1つ目の素養です。

2つ目は「情報力」これはよく言うアンテナの高さです。
様々なニュースが日々流れています。そのようなニュースの中で何のニュースが大きな自分にインパクトを持つものなのか、またそのニュースや事象が何を意味しているのか、このように情報に関する感度の高さと洞察力を高めること、これが「情報力」です。
これは昔から感じていたのですが、多くのバイヤーは自ら情報を集めにいくことをあまりしません。何故なら情報が集まりやすい立場であり、「情報というものは誰かが持ってきてくれるもの」という意識がどこかにあるからではないでしょうか。これからのバイヤーは複雑化した時代の中で「情報を集め」「分析・共有し」「洞察する」これらの「情報力」を一層高めていかなければならないのです。

3つ目は「コミュニケーション力」です。これは誰もがその通りだと思われるでしょう。私はコミュニケーション力で重要なポイントは二つあると考えます。
「論理性、説得力」と「モチベーションを持たせる力」です。1つ目の「徹底力」でもふれましたが、バイヤーは社内外のステイクホルダーや自分自身に対して何らかの徹底をする必要があります。ここで重要なのは「相手を説得するための」論理的な思考であり、説得する力であり、それをコミュニケーションとして実行できる力です。また一方で様々な現場では論理的な説明が通用しない場面がいくらでも出てきます。こういう場面で相手に理解してもらうには「論理性・説得性」だけでは難しくなります。これらの場面では「モチベーションを持たせたり」「勇気づけ」を行ったりするコミュニケーション力が必要になります。
これが本当の「コミュニケーション力」です。
これらのコミュニケーション力は別の言い方をすれば「交渉力」になります。交渉力」とは相手を負けさせることではなく、時には論理的に説得し、時には相手を勇気づけていくことで創造的な解決方法を見出す力なのです。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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