企業戦略と調達・購買戦略(その3)

2012.06.11

経営・マネジメント

企業戦略と調達・購買戦略(その3)

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

企業戦略と調達・購買戦略は同期して語られることはあまり多くありません。多くの企業で経営者から見ると調達・購買部は便利なコスト削減請負人程度の位置づけなのかもしれません。

企業戦略と調達・購買戦略は同期して語られることはあまり多くありません。多くの企業で経営者から見ると調達・購買部は便利なコスト削減請負人程度の位置づけなのかもしれません。しかし、調達・購買の機能そのものや戦略は企業戦略や経営者の期待、時代背景等によって、もっとダイナミックに変化する(させる)べきものです。一部の企業では調達・購買戦略がより重要な機能戦略として位置づけられてきています。
今回は富士通の事例を取り上げたいと思います。

ちょうど25年前位でしょうか?私が自動車メーカーの購買にいたころNHKのドキュメンタリで富士通の購買を取り上げた番組が放送されました。
正直タイトルは覚えていませんが、その当時で購買部門やバイヤーを主役にした番組が放送されたこと自体非常に珍しく、自分の購買という仕事もこういうふうに取り上げられる機会があるんだ、と感じたことや主役の購買課長の格好よさが印象的であったことを今でも思い出します。
番組の内容は富士通のパソコンビジネスの購買課長を主人公としたもので、その当時ホストコンピューターから汎用機やパソコンビジネスにコア事業を移管していた同社の購買戦略の変革を取り上げたものでした。その後その方が現在の富士通セミコンダクター株式会社の岡田社長であることを今から数年前に改めて知り合いから聞いた時には、やはり偉くなられたのだな、と思わず納得してしまったことを思い出します。

その番組でも取り上げられていましたが、ホストコンピューターとパソコンのビジネスは全く事業モデルが異なります。
最大の違いは受注(設計)生産方式からの脱却です。
受注(設計)生産の事業の場合、調達・購買部門の主要な仕事は「いかに要求されたモノを納期通り確保するか?」という供給機能や「品質の確保」という品質機能が重要な点となります。
一方でパソコンや汎用機は多量生産方式になります。
多量生産方式の場合は「より計画的な購買」が重要視されます。また汎用化が進めば進むほど事業環境としては競争相手が出現しやすくなりますし、日本だけでなくグローバルでの競争になりやすくなります。そうすると供給力や品質はあたり前、いかに低コストで調達できるか、という点がより重要視されます。また全社で集中購買を行うことでボリュームメリットを生かしていくことが可能になります。それだけではありません、計画的な購買になるということは長期継続的なサプライヤとの取引が発生することにつながるため、サプライヤマネジメントもより一層重要になってきます。また開発段階で低コストな製品を作りこむという視点から開発購買の推進も重要なテーマとなります。

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

フォロー フォローして野町 直弘の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。