適者生存できない組織

2007.11.07

組織・人材

適者生存できない組織

増田 崇行
株式会社クエストコンサルティング 代表取締役

「組織外部の変化が組織内部の変化より速ければ、その組織は間もなく終焉を迎えるであろう」 これは、前GE最高経営責任者ジャック・ウェルチの有名な言葉である。

景気回復局面において、最高益を更新した企業は多い。
また、3年の中期経営計画の目標数値を2年でクリアした、という話も最近よく聞く。

「必要なリストラも実施したし、もちろん社員はみんな頑張っている。でもそれ以上に市況が良くて・・・」

これもよく聞く話である。

ほんの5~6年前は、「とにかく激変した環境で生き抜くには、リストラクチャリングするしかない」という経営者のメッセージが飛び交っていた。

「チェンジ・マネジメント」をテーマにした組織再生のコンサルティングも盛んであった。

しかし、日本企業が取り組んだリストラのほとんどは、追い込まれた挙句の窮余の一策であり、経営者の慧眼により、環境変化に先んじて独自の経営革新を実現した事例は少ない。

前述のジャック・ウェルチの言葉は、自組織が環境変化を先取りするぐらいの変化し続けなければ、適者生存できなくなることを意味している。

全ての事象に栄枯盛衰があるように、企業にも事業にも変化のサイクルがある。

構成期から右肩上がりの成長段階を経て、成熟期となり、やがて下降局面を迎える。

IT革命以前は、企業のライフサイクルは30年、事業のライフサイクルは10年と言われていた。

100年の歴史を誇る企業は、3回は危機に直面しており、その都度、なんらかの形で救世主が現れていることになる。

ジャック・ウェルチはGEの救世主であり、ルイス・ガースナーはIBMの救世主として名高い。

昨今、日本企業の不祥事が後を絶たない。

それも、強固なブランドを持つ老舗企業が顧客の信頼を裏切り、ブランドを失墜させ、会社存亡の危機に瀕している例は目を覆うばかりだ。

このような企業に救世主は現れるのか?

変化のサイクルにおいて重要とされるのは、次なる変化の必要性に気づき、成熟期が下降カーブに移行する前に主体的に変革を断行し、新たな成長カーブに移行することである。

これは3つの意味で難しい。

ひとつは、やっぱり変化の本質には気づかない、または変化を認めたくないというリスクである。

良い状況の時に悪いシナリオを検討するが、実際は想定外のことが多い。

また、組織全体が「コンフォートゾーン」(心地の良い状態)に陥っていると、どうしても安きに流されてしまう。

「ゆで蛙」現象という話がある。

初めからお湯の入っているビーカーに蛙を放り込めば、蛙はびっくりしてビーカーから瞬時に飛び出してしまう。

しかし、初めは冷たい水であったビーカーに入れた蛙は、 その後、徐々に下からビーカーを温めても、蛙は温度(事態)の変化になかなか気づかず、気がついた時には、跳ねて逃げ出す力をも失ってしまうという話である。

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増田 崇行

増田 崇行

株式会社クエストコンサルティング 代表取締役

2006年5月に株式会社クエストコンサルティングを設立しました。 組織人事領域におけるプロデューサーとして、クリエーターとのコラボレーションによりユニークなサービス、ビジネスを開花させてきました。今後も「Quest for the Human Brightness」をコンセプトとして、インパクトのあるサービスを開発しご提供することで、人と組織の本質的価値の向上に貢献できたらと考えています。

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