昨日のカルビーつながりで、 もうひとつ取り上げたいと思っていたネタがあります。 今回は、「ジャガビー」の商品開発に、 「ペルソナ法」的アプローチが採用されていたという話です。
新商品やWebサイト等の開発にあたって、
最も重要で象徴的な顧客像(顧客モデル)を詳細に描く
「ペルソナ法」
については、これまでさまざまな形でご紹介してきました。
また、私自身、実際の業務でもペルソナ法を活用して、
Webサイト等を設計してきた経験がいくつかあります。
このところ「ペルソナ法」が注目を浴びているのは、
「体系的な方法論」
として確立され、きちんとした「ノウハウ」として
学ぶことが可能になったからです。
ただ、ペルソナ法のノウハウの確立以前から、
ヒットメーカーとして名を馳せている商品開発者の多くは、
ペルソナ法的なアプローチが有効だとわかっていました。
つまり、漠然としたマスを想定した商品は売れない。
むしろ、ターゲットを絞込み、詳細に規定した
プロフィールを持つユーザーを想定した商品の方が、
結果的に大衆の心を掴むことができるということです。
さて、現在、バカ売れしているカルビーの「ジャガビー」。
確かにおいしいですよね。ポテトチップスとはまた異なる
さくっとした食感が新鮮。私も大好きです!
*ジャガビーのサイト
http://www.calbee.co.jp/jagabee/
さて、「じゃがりこ」以来の大ヒット商品になっている
同商品の開発に当たって、開発担当の方は、
ペルソナ法的なアプローチを採用していました。
(ペルソナ法のことは、当時はまだ知らなかったそうです)
「ジャガビー」が狙ったのは、
スナック菓子をあまり買わない20-30代の独身女性。
ただし、単に年齢と性別だけの規定だけでなく、
対象とする顧客のライフスタイルや価値観など、
詳細なプロフィールを作成しています。
具体的には、対象とする女性がよく読む雑誌から、
ライフスタイルを類推、また独身の女性社員とのミーティング
を通じて顧客像を形成していきました。
そして最終的には、
「27歳独身女性、文京区在住、ヨガと水泳に凝っている・・・」
といった記述が並ぶ1枚のプロフィールにまとめています。
このプロフィールには、
顧客像のイメージに近いタレントの写真も貼ったそうです。
カルビーが行った上記の手順は、
標準的なペルソナ法の流れを踏んではいないという点で、
自己流の「ペルソナ」
と呼べますが、「ジャガビー」のヒットに
大いに貢献したものと思われます。
ペルソナ法の最大のメリットは、
ありありとイメージできる顧客像を描くことで、
真の意味での
「顧客の視点」
で、商品開発やマーケティングコミュニケーション展開が
できること。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。