コンサルティングの限界と新しい取組み

2012.01.26

経営・マネジメント

コンサルティングの限界と新しい取組み

野町 直弘
調達購買コンサルタント

昨年の案件の傾向としては「サプライヤマネジメント」関連や「組織改革」などの抜本的な仕組み作りに係る案件が多かったように思われます。

有難いことに昨年も多くの企業の皆様に御支援をさせていただく機会をいただきました。

昨年の案件の傾向としては「サプライヤマネジメント」関連や「組織改革」などの抜本的な仕組み作りに係る案件が多かったように思われます。
一方でコスト削減やコスト削減手法の習得についてはリーマンショック以降のCR一本槍の取組みからは変わってきていると思われます。
これは超円高やリスクマネジメントも含め、グローバル化や海外調達などを企図している現状から、既存のサプライヤとの関係性作りや見直しを積極的に行わなければならない、ということも背景の一つです。
このへんの話はまた別途メルマガで取り上げたいと思います。

私がアジルアソシエイツを立ち上げてこの3月でもう10年になります。
10年間主に調達・購買領域のコンサルティングに従事してきたのですが、私がこの10年を通じて近年感じていますのは、「コンサルティングに対するニーズがだいぶ変化したな。」ということです。

従来型のコンサルティングは「調査」「提言」「(一括)請負」型に分けられます。
その昔は「調査」「提言」など戦略系コンサルを中心としたコンサルティングファームが自社で独自に調査や現状分析を行い、クライアントに一方的に報告(提言)する、というパターンが大部分だったと記憶しております。
これに対し「(一括)請負」型は業務系コンサルティング会社があるテーマについて自社のリソースを貼りつけ推進するような形式です。
所謂アクセンチュア、IBMに代表されるような形態であり、「システム導入コンサルティング」などはその代表的な形です。

「一括請負」型コンサルは近年はBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング」という形で業務そのものを請け負ってもらう方向に変化しつつあります。
また「調査」や「提言」型のような一方的なパターンは多くの企業でそのまま何も改革に活用されずに、ファイルされて終わりというパターンも多く見られ、従来のような価値を各企業が感じなくなっています。
このような従来型のコンサルティングが全くなくなる訳ではないでしょうが、多くの企業でコンサルティングに対するニーズは変化しつつあります。
つまり「何でもお任せ」もしくは「提言をしてください」ではなく、継続的な変革や定着を進めるためには社員に実行する能力を身につけさせることが必要であり「それを体得させてほしい」となってきているのです。これは改革手法(やり方)だけでなく、改革を実現する力も含めてのことです。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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