「価値観の共有」大震災から学ぶ調達・購買部門に最も必要なこと

2011.11.25

経営・マネジメント

「価値観の共有」大震災から学ぶ調達・購買部門に最も必要なこと

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

先日日本で一番多くの調達・購買・資材部門の人間が集まる「調達・購買革新大会」が実施されました。 「調達・購買革新大会」は日本能率協会が年に一回この時期に2日間にわたって実施しているもので、毎年様々なテーマで様々な方が講演されます。

今回私も部分的ではありますが「3.11と購買」と題する東日本大震災に関するパネルディスカッションを拝聴しました。

その中でパネラーを務めたある方のおっしゃったことが非常に印象に残りました。
「今回の震災対応で改めて必要性を感じたのは価値観の共有です。つまりこういう危機的な状況においては、何が大切で何が大切でないのか、購買部門としてどういう役割を果たしていくべきなのか、これが一層求められるのです。しかし、この価値観の共有は震災が起きてから進めるということではダメなのです。日常から部全体の価値観や方向性を共有していないと(いざという時に)同じ方向に進むことはできないのです。」

今回このセッションは弊社坂口がコーディネーターを務めたのですが、彼も最後にこう締めくくりました。
「今回震災後の調達・購買部門の実態を把握するために、多くのバイヤーからアンケート調査を行いました。その結果多くのバイヤーが共通してあげた課題が、価値観の欠如だったのです。つまり『ある上司はとにかくモノ確保に走れ、と言い、ある上司は情報収集のために現地に行け、と言う、ある上司はまずは安否確認から行い、あまり無理な対応はするな、と言う』このような危機的な局面であればこそ、ますます即時の判断が迫られます。つまり何らかの共通する価値観がなければ全体の進む方向がバラバラになってしまいます。」

具体的な価値観については先ほどのパネラーの方がこのようにおっしゃていました。
「購買は顧客、営業、生産、開発などの声をそのまま取引先に流すことが仕事ではない。全体のコーディネータとして全体最適に貢献していく立場であるべき」
このような価値感を常に部員の中に共有できていれば、バラバラな行動はなくなるでしょう。

振り返ってみるとこれは何も震災後の対応だけの話ではありません。
私は今まで多くの調達・購買改革リーダーの方と話をさせていただきました。
これらの方の共通する資質は常にブレない価値観を持っているということです。

小手先の手法も大事ですが、改めて価値観の共有の意義を感じる機会となりました。

(追伸)
今回私が尊敬するあの5X5マトリクスで有名な柴田さんが弊社セミナーを担当していただくことが急遽決定いたしました。
『調達・購買業務の効率化と原価低減を可能とするシステム化、定石と勘所』セミナー(12月8日開催)と題する柴田様の今までの実務経験の集大成になります。柴田さんは日本ユニシスにお勤めになられ、2000年以降に本格化したe(電子)調達システムではパイオニアとしてシステムの普及に従事し、客先トップへの提案から、適用現場での苦労話まで多くの「引き出し」を持っていらっしゃる方です。
まさにSEを超えた超人間力の持ち主であり、誰をも話に引きずり込む話法には皆さんも夢中になられるに違いありません。何よりもこの手のセミナーは「システムの売り込み」を目的としたものが大半です。しかし、今回のセミナーは参加者のみなさまへシステムを売り込むことが目的ではなく、純粋に実践知をお伝えするものです。
是非ともご参加いただけますようお願い申し上げます。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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