“論理思考の特訓”で人を伸ばす。自分を伸ばす。

2011.10.18

開発秘話

“論理思考の特訓”で人を伸ばす。自分を伸ばす。

喜田 真弓

アシストはコンピュータ・ソフトウェアを扱っているが、ライセンス販売の会社であり、ソフトウェアの開発はしていない。そしてほとんどの製品は独占販売ではないために、アシストでもっとも大切なものといえばその社章が示すように「人」である。

「他の企業は事業の成長性や社員に期待することから説明を始めるのに対して、これは衝撃でした(笑)。そしてここなら絶対おもしろいことが経験できると直感しました」
配属は、役員向けに希望先をプレゼンする形で決められた。もちろん西嶋は技術者を希望し、開発ツールであるFOCUSのサポート・エンジニアとなる。

入社して3年、西嶋は結婚を機に一度退職し、業務内容はほとんど変えずにアルバイトとして働くようになった。残業などを考えると、仕事と家庭の両立は難しいのではないかと思ったからだ。

「結婚生活に慣れると、(アルバイトでは)チャレンジがなくて、もの足りなさを感じるようになりました。自分の都合で辞めたのでだめかもしれないと思いましたが、正社員に戻してもらいたいとお願いすると、拍子抜けするほどすんなり受入れてもらいました」。復帰後、西嶋は新製品のリリースや品質管理に携わる。しばらくして、顧客プロジェクトを支援する部署の創設を聞き、参加したい意向を伝え、異動が決まった。

アシストには「自由異動の原則」というのがある。社員が自由意志で、希望する職務/分野/地域を求めて、異動先に直接、異動希望を出すことができる制度だ。受入部門の人員枠に残があることなどの条件や、会社発令の人事ローテーションにより異動した場合は、発令の意図を理解し、原則としてその異動から最低1年間は自由異動の申請はできない、など運用ルールはあるが、異動元の部門長には異動の拒否権がなく、受け入れ部門の部門長が承認すれば異動は決定する。再入社を認めること、そしてこの自由異動の原則、どれも「人」を大切にする企業ならではの計らいである。

西嶋はこの後、コンサルティング部門の発足で、再び同様に自ら手を挙げ、現在のコンサルティング室へ異動し、コンサルタントとしての道を歩み出す。

「コンサルタントの支援スタイルは人によって多様ですが、私の場合は、自分で『巫女型』と定義しています。実際にはその企業の社員ではありませんが、できるだけ企業のDNAや事業背景を憑依させた形でお客様に入り込むと同時に、プロフェッショナルとして客観的な見地に立ったコンサルテーションを心がけています。寄り添うスタイルと言い換えるといいでしょうか。ただ、場合によってはお客様を追い詰めます。憑依していると表現したように、お客様プロジェクトの一員という意識ですので、甘い分析や検討モレには容赦なく議論を投げかけます。本当にこの要件で課題が実現できるのか、成果が上がるのかを常に問いかけます。ある企業の執行役員が検討会での私との議論をおもしろがってくださり、『今日のテーマは何?』と毎回顔を出していただいたことがありました。似たようなことはよくありますので、スタイルとしては成功しているのでしょう」
こうして、いま西嶋はコンサルタントとして刺激的な日々を送りながら、常に次なるチャンレンジを探している。

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