企業のビジョンとミッションステートメントの見直しを（2）

そこでもう一方のミッション、これを言葉にしたミッションステートメントは、このビジョンに基づいて私たちの会社は何をすべきか、何を求めるのか、どのように理想的な社会の建設、顧客、従業員や関係者の幸せや成長のために貢献するのか、。。。。を明確にすることになります。

例えば一宗教団体を仮定してビジョンとミッションを書いて見ますと。。。
ビジョン：我々人間は、現在の混乱した秩序を失ったの世界のなか、今後も不安定と不確実な社会のなかで生き延び、成長するためには強い精神的支柱が必要である。これなくして、廃頽化し、物質化しつつある社会を、明るく住みよい社会にすることは出来ない。
ミッション：我々はあらゆる人々に精神的支柱を与え、強く生きる糧を提供する。そのためにあらゆる人々が我々の集団に所属させることにより健全で繁栄する社会、世界に貢献する。

一銀行の場合
ビジョン：金融機関は、個人や組織の財産を最も有効な形で活用し社会の成長のために、そしてユーザーのより健全な生活、繁栄ために、重要不可欠な存在であり続ける。
ミッション：個人の家計、組織の財政を管理、健全な形で運営されるように、助言と提案を通して、ユーザーのより快適で前進する生活に貢献することである。
これらの簡潔な文章に続いて箇条書きて具体的に数項目加えられるとより明確なビジョンやミッションステートメントになるのではないでしょうか。

ここで私が言いたいのは、いいビジョンやミッションステートメントの書き方、作り方ではありません。それよりも、コンスタントにビジョンやミッションを見直していただきたいということです。

立派な理想を掲げることは重要ですが、それは同時に現実化可能なものでなければなりません。現実化する基盤、世の中の機構などがどんどん変化していることと、抽象的なものでは社会に、マーケットに明確な企業ブランド、イメージを与えることは出来ないばかりでなく、最も重要な関係者、特に従業員、株主、納品メーカなどと一体化した企業作りが難しいためです。

今再び元気がなくなった企業を燃える組織にする必要があります。その基本中の基本がビジョンでありミッションでしょう。毎年毎年、市場拡大や売り上げ目標を掲げていても、どのような企業作りをしようとしているのかが明確でなければ社員を含む関係者が疲れるだけでしょう。

良く研修セミナーなどで語られます、情熱、効率がビジョンやミッション意識があると極端に異なってくる例としてピラミッド建設職人の話(もちろん作り話)があります。
何しているんですか：
１．ご覧の通り、あそこに大きなピラミッドを作りつつあるので、1日1ディナールもらえるので石を切って運んでいるのですよ。きつい仕事ですよ。生活のためには。
２．ほら、あそこに大きな建物が見えるでしょう。もっとずーと高いピラミッドという王様の墓を作っているのですよ。きれいな建物になりますよ。
３．あそこに大きな仕事場が見えるでしょう。大きな大きな美しいピラミッドを作っているのです。何千年も後まで我々エジプト人の優秀な建設技術を伝え、人間の文化遺産を残すことが出来ると思います。将来のエジプト人にとっても誇りとなるでしょう。ほら、これが完成図です。あと25年で完成します。完成までこの仕事をしながら生きたいと思っています。

是非御社でもビジョンやミッションを見直して、組織の活性化のためのものとしてください。
経営者の手腕、人間力の一面ですよ。

ではまた次回に。
これに関するご質問などはお気軽に以下に。
hiroshikondo@centroliderazgoyestrategiahak.org
(世界リーダーズクラブゼネラル・コーディネーター、メキシコ在住、近藤紘)