「獲物を釣り上げたい」と思ったら、あなたはどんな手を使うだろうか。普通の釣り方で辛抱強く待つか、獲物が食いつきそうなエサを使うか、それとも釣りではなく一網打尽を狙うか・・・。
価格戦略(Pricing)には、「ロスリーダープライシング」というものがある。赤字覚悟の目玉商品(ロスリーダー)を設定して集客。利益率の高い商品も同時購入するように誘い、低収益と高収益を合わせて全体利益を創出する「マージンミックス」で稼ぐ手法だ。
マクドナルドの展開は、もはやコーヒーメニューを「ロスリーダー」として大量に投下する。もはや「エビで鯛を釣る」というスタイルではなく、大量に魚を集めるための「コマセ」を投入しての釣りである。コマセは多くはエビとよく似ているが安価なオキアミが用いられる。確かに牛丼そのものをエサにトッピングを釣るより、コーヒーというオキアミを撒いてハンバーガーという鯛を釣る方が大規模・大胆に展開できるだろう。
プライシングはマーケティング戦略の総仕上げである。いわゆる4Pのその他の要素、製品を作る、販路を構築・維持する、広告を展開するという行為は全て「コスト要因」である。それだけに、プライシングが重要なのだ。ゼンショーの、そしてマクドナルドの大胆にして緻密な戦略に学びたい。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。