調達・購買部門を診断するという試み

2010.12.09

経営・マネジメント

調達・購買部門を診断するという試み

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

調達・購買部門の活動状況を診断するツールを開発し、64社の企業の調達・購買部門を診断しました。 診断の結果は、日ごろ感じている課題を浮き彫りにするものでした。

先日アジルアソシエイツからニュースリリースさせていただきましたが、調達・購買部門診断ツールで64社の国内企業の調達・購買部門を診断いたしました。

これは過去弊社のアンケート調査等にご協力いただいた企業様を中心に今年の5-6月に調達・購買部門診断ツールを配布し、診断結果を元に分析を行い集約したものです。
http://www.agile-associates.com/2010/09/post_36.html

今回の診断は「戦略・方針」「役割・体制」等の8つの軸とそれに紐つく57の設問項目で行っています。

57の設問項目毎に標準スコアを3点とし先進企業は5点、遅れている企業は1点という具合にそれぞれの項目を点数化し、8軸毎にどの軸が遅れており、どの軸が進んでいるのか、同業他社に対してはどのようなポジションであるのか、等を見ることで自社の改革につなげていくことを目的にしています。

各社のセルフ診断であること、標準点やウエイトはあくまでも弊社コンサルタントの経験を元にしていること、n数が少ないこと、これらのことから診断や分析結果の信頼性には限界があることは確かです。
しかし、企業の調達・購買力を評価、比較する上で非常に役立つものであることも確かです。

診断結果で興味深い点が二つありました。

一つは弱点の明確化です。
標準スコアを3点とした場合、平均が2.5前後のスコアであったのは「開発購買・原価企画」軸(2.53点)と「人材」軸(2.63点)でした。
とくに「人材」は設問5項目すべてが標準レベルの3.0点を下回っており、もっとも課題が残された軸であると言えます。

57設問項目別に見ると、2点よりも低く多くの企業で課題となっている項目は「交渉に関するプロセスの整備」(1.7点)、「人材の意識」(1.9点)、「コスト削減活動におけるコストドライバー分析の活用」(1.7点)の3項目でスコアの低さが目立ちました。

これらの弱点は、私が日頃感じている課題認識とほぼつながっています。

例えば「交渉に関するプロセスの整備」については、「プロセス軸」の設問中圧倒的に低いスコアとなっています。
弊社も交渉力の研修を行っていますが、そこでは「交渉力は交渉のプロセスを管理する能力」であるという研修を行っています。そのためには交渉の回数、交渉の方法、交渉相手、交渉戦略・計画の文書化などの標準化は欠かせません。

また少なくとも企業として交渉時に行ってはいけない「べからず集」、やらねばならない「べき集」を整備、共有する必要があるでしょう。
但し多くの企業で交渉は全く個人に任されているのが実態です。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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