製・配・販のトップ企業15社がSCMで環境経営

2010.12.05

経営・マネジメント

製・配・販のトップ企業15社がSCMで環境経営

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

イオン、イトーヨーカ堂、ローソンなどの小売や味の素、花王、キリンビール、資生堂、プロクター・アンド・ギャンブルといった消費財メーカ、更に卸のトップ企業15社が主体となり、流通効率化のための協働の取組を開始した。

参加企業は以下の通り。

■ 製造業
- 味の素株式会社
- 花王株式会社
- キリンビール株式会社
- 株式会社資生堂
- プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社

■ 卸売業
- 株式会社あらた
- 国分株式会社
- 株式会社菱食
- 株式会社Paltac

■ 小売業
- イオンリテール株式会社
- 株式会社イトーヨーカ堂
- 株式会社マツモトキヨシホールディングス
- 株式会社ヤオコー
- 株式会社ライフコーポレーション
- 株式会社ローソン

本年5月よりこれら15 社の社長等が参加する3回の準備会合が重ねられ、消費財流通事業者のビジョンの作成と本年度に協働して取り組むテーマを決定した。経済産業省商務流通グループも積極的にこの取組を支援しているという。

サプライチェーンマネジメント(SCM)は、原材料や部品の調達から製造、販売に至るまでの商品供給の流れを一つの鎖(サプライチェーン)ととらえ、そのチェーンに関わる部門・企業の間で全体最適を目指すというもの。全体最適を目指すということは、サプライチェーンの中に潜む無駄を解消していくということで、サプライチェーンマネジメントと環境経営は非常に親和性が高い。

目指す姿は美しいが、実際の現場レベルでは、自然の流れとしては全体最適よりも個別最適に走ってしまうため、SCMの確立は容易ではない。日本でSCMという言葉が普及し始めたのは1990年代後半からだろうか。多くの企業がSCMの取組を進めているが、ともすれば利益の奪い合いとなってしまう売り手企業と買い手企業の間で全体最適を目指すというのは非常に難しく、SCMが普及し始めて10年以上たった現在でも、ほとんどのSCMの取組は自社内での最適化に留まっているのが現状だ。

特に、企業間を越えたSCMを構築する障害はシステムや物流インフラストラクチャーの技術的問題よりも、「欠品率0%」「作業がしやすいよう各店一律で朝7:00-8:00の間に必着」といった買い手企業の理不尽な要求や非合理な商慣行の方が圧倒的に多い。そういった意味で、このグループがそのビジョンで掲げるような「製配販の協働により、サプライチェーン全体の無駄を無くすとともに、新たな価値を創造する仕組みを構築することで、自らの競争力を高め、豊かな国民生活に貢献する。」という視点で、製・配・販の各トップ企業が企業・業界の垣根を越えて全体最適を目指すという試みには期待が持たれる。

今年度の取組としては、1. 返品削減(廃棄ロス削減)、2. 配送最適化(物流に係る環境負荷・コストの軽減)、3. 業界におけるシステム標準(流通BMS)の推進の3テーマが決定しており、それぞれワーキンググループを設置し、ガイドライン策定等を目指して検討していくという。環境経営には1.返品・廃棄ロスの削減と2. 配送最適化とが直接に関係してくる。

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中ノ森 清訓

株式会社 戦略調達 代表取締役社長

コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

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