「利用シーン別売り場」でデジカメを売るカシオの狙い

2010.11.02

営業・マーケティング

「利用シーン別売り場」でデジカメを売るカシオの狙い

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 カシオ計算機は飽和し、低価格化に歯止めがかからないコンパクトデジカメ市場に対し、新たな売場提案でテコ入れを図る戦略に出た。

 記事では、ソニーマーケティングの対応も紹介されている。<「コンパクトも動画対応が増え、静止画機能を訴求するだけでは客のニーズに合致しなくなる可能性もある」>として、ビデオカメラとの一体展示を行うという。
 前述の通り、デジカメを購入するニーズは「きれいに写真が撮りたい」であり、もう一段深掘りすれば「きれいに想い出(記録)を残したい」だ。想い出は静止画だけで完結するものではなく、検討過程で動画で残したいと思うようになる人も多いはずだ。その取りこぼしを防止する狙いだろう。

 ハーバード大学大学院の教授であったセオドア・レビットは、著書『レビットのマーケティング思考法』(ダイヤモンド社)で、「工場では化粧品をつくる。店舗では希望を売る」として、以下のように記している。
 <レブロンを名だたる巨大企業に育て上げた天才的経営者、チャールズ・レブソンはこう言った。「工場では化粧品をつくる。店舗では希望を売る」。なるほど、女性は化粧品を買う。だが、女性は化粧品を買うのではない。希望を買っているのだ。レブソンは人間の衝動を正しく理解して、その上にあの金字塔を建てたのである>。

 消費者ニーズをとらえて、それを深掘りする。マーケティングの基本の基ではなるが、言うは易く行うは難しだ。しかし、今日ほど、その原点に回帰すべき時代はないといえるだろう。

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