3年B組金八先生の歴史的名場面から考える近頃の『世情』。

2010.09.17

ライフ・ソーシャル

3年B組金八先生の歴史的名場面から考える近頃の『世情』。

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

3年B組金八先生が始まったのは、1979年の秋。30年以上前になるわけである。そのシリーズは、第8(2007年秋~放映)まで続く。では、シリーズ最高傑作は・・・?名場面は?と聞かれると、大概出てくるのは、シリーズ第2の「あの名場面」である・・・。

権利や財産も持たない弱い者達は、時代の流れの先に、変わらない夢を求めて、むなしくシュプレヒコールを上げるが・・・一方で、時代の流れを止めてまでも変わらない夢=利権や権力を守ろうとする者は、いくら闘っても変わらない。

互いに変わらない夢を追うために、他愛のない嘘をいつもついていて・・・その、包帯のような嘘を見破ることで、評論家やメディアは、世間を見たような気になっている。

結局、いつまでも平行線で、せつなさとむなしさだけが残るのが『世情』なのである。何も変わらない・・・。

この歌詞の深さは、弱者も強者も、どちらも否定も肯定もしていないところである。
お互いが「変わらぬ夢」を追い続ける内は、せつなくてむなしい『世情』しか残らないとメッセージされているところにある。

では、30年前の状況と、現在と、果たして何が変わったのだろう?
マスコミから流れる民主党の代表選ニュースのバックに『世情』を流したら、また、ひとつのむなしい傑作ドラマになるような気がする。

30年、あいも変わらず、みんなが「変わらない夢」を追い求めている。弱者も強者も、権利を守り、権利を主張することに躍起になっている。シュプレヒコールがむなしく流れていく原因は、そこにある。

強者が変わらないのであれば、弱者である私達が「変わらない夢」を変えなくてはいけない時代になっている気がする。

3年B組金八先生の加藤優に肩入れし、このシーンを鳥肌を立てて見たであろうおっさん達が、いまのこの世の中を支えている。あれから30年。「包帯のような嘘」をつくのが上手なだけの体制側の人間になっていないかと胸に手を置いて考えてみたい・・・。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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