中国ではレジ前で「俺のポイントカードを使え」と言われるらしい

2010.09.14

営業・マーケティング

中国ではレジ前で「俺のポイントカードを使え」と言われるらしい

安田 英久
株式会社インプレスビジネスメディア Web担当者Forum編集長

今日は、とんでもない中国のポイントカード事情から、マーケティングプログラムの目的と弊害について触れてみます。

しかし、前述のような「企業側のマーケ目的」から外れた行動をする層をゼロにすることはできません。あくまでも「提供側の思惑から外れる行動を顧客がする」だけのことで、不正ではありませんし。

また、マーケ施策の副作用は、別の形で出ることもあります。レンタルDVD店が来店促進のための割引チケットを会員向けに送付している場合、週末にレンタルDVDを借りようと思っても「どうせ来月になったら半額クーポン送ってくるから、それまで待とう」となり、常に半額でしか借りない人もいるでしょう。ネットショップでも、顧客がセール慣れしていて、特売をしないと売上が立たず、常に何らかのセールをしなければいけない状態になってしまうこともあるようです。

おそらく大企業のマーケティング部なら、そうした層がいることを前提に全体の計算をしているのでしょう。しかし、ネットやケータイの普及で「ちょっとしたマーケティングプログラム」なら、だれでも行えるようになっています。そのため、慣れない人が性善説にもとづいて企画を考えると、「こんなはずでは」と失敗してしまう場合もあるかもしれません。

また、本来の目的として一見さんの獲得や再来店促進があり、その手段としてクーポンやセールがあるはずなのに、長くやっていると、いつの間にか「クーポンを提供すること」「セールをすること」が目的になってしまう場合もあります。

「顧客は企業側が思うとおりに行動するとは限らない」「マーケ施策の目的を明確にする」ことは、中国に限らず、日本でも重要なのだろうと思った一件でした。

※もちろん、前述のような場合にも、お客さんに「得した」気分になってもらうことで店への好感を上げる効果はあるでしょう。しかし、それならそれを目的にして行うべきですよね。

※この記事は、Web担当者Forum(Web担)に掲載した編集部コラムを転載しています。
元記事:中国ではポイント乞食がレジ前にたむろしているらしい
Web担当者Forumは企業ホームページ作りとネットマーケティングに関する情報サイトで、解説記事、コラム、ニュース記事などを毎日更新でお届けしています。
毎週月曜日発行のメールマガジンもありますので、興味のある方はぜひご登録ください。

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

安田 英久

安田 英久

株式会社インプレスビジネスメディア Web担当者Forum編集長

企業のウェブサイト活用やウェブマーケティングに関するメディア「Web担当者Forum」(http://web-tan.forum.impressrd.jp/)を運営しています。

フォロー フォローして安田 英久の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。