「シークレット菓子」のヒミツをマーケ的に深掘りしてみる

2010.08.25

営業・マーケティング

「シークレット菓子」のヒミツをマーケ的に深掘りしてみる

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 「まゆ毛コアラ」「願いのピノ」「竹になったたけのこの里バー」・・・定番菓子のパッケージに時々混入している変わり種バージョン。「幸せになれる」という都市伝説もあるが、メーカーの真の意図は何だろうか

 さて、定番品の生き残りの基本パターンは次々と商品バリエーションを増やすことだ。定番商品の代表格であるカップヌードル1971年の新発売以来の、いわゆる「カップヌードル」といわれる味の他に、様々な味のバリエーションを次々と展開している。菓子ならポッキーやキットカットなどが基本のフレーバーはそのままに、他ブランドやご当地商品に至るまで、様々なバリエーション展開をしている。
 「シークレット菓子」を展開するには、当然、別バージョンを作って、パッケージに混入させたり、別パッケージを混ぜたりするには手間がかかる。単なる「ファンサービス」と片付けられないコストもかかっているはずだ。しかし、新たなバリエーションを開発・上市するより遙かに低コストで済む。そして、ユーザーに飽きられないことと、チャネルの棚を確保することが可能になれば、メーカーとしてはこんなにうれしいことはない。

定番商品とはいえ、何もしないでポジションが盤石に保たれるほど甘くはない。顧客維持に懸命の努力をしているのだ。
 もしある日、自分が購入した菓子や食品・飲料の箱の中やパッケージに、ちょっと変わった「シークレット」を発見したら、そのラッキーで「自分の顧客がうまく維持できますように」と祈りつつ、「メーカーの努力も報われますように」と少しだけ幸運のお裾分けをしてあげればいいと思う。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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