権威という曖昧なもの。それでも権威にすがりますか?

2010.08.10

経営・マネジメント

権威という曖昧なもの。それでも権威にすがりますか?

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

あなたが評価や意思決定の際に頼りにしている権威というもの。実は、それは、絶対的なものではなく、他の誰かが作り出した曖昧なものです。 ノーベル化学賞受賞者の下村脩氏が、そうした権威が作られていく過程を示すエピソードを生々しく語っていますので、今回はそのエピソードを中心に私たちが普段頼りにしている「権威」について考えます。

物事は、短期的な評価に重きを置くか、長期的な評価に重きを置くか、部分を見るか、全体を見るかなど、見方で大きく評価が変わります。どんなに有能な人間、権威者でもミスをすることもあります。また、ある分野での権威だからといって、万能、どの分野にも精通している訳ではありません。反対に、ある分野で権威にまで登り詰めるには、一つの分野に没頭せねばならず、他の分野のことには関心を払ってこなかったということもあります。

私たち調達・購買の仕事は、あなたが買うモノ、取引先、取引条件が最適かについて評価、意思決定するものです。モノの品質や価格などの短期的な部分の評価に重きを置くのか、開発力などの長期的な評価に重きを置くべきかは、場面々々に異なります。また、品質に重きを置くか、価格に重きを置くかは、技術や製造などの現場と経営者では考えが異なったりします。

これらは、下村氏のケースで言えば、実験の仮説や問題設定、前提条件にあたります。評価や意思決定で重要なのは、何を評価、決定すべきかという問題設定であったり、どのような環境にあるのかという前提条件の正確な認識です。認証や、ブランド、一般的な人気、「10年前に社内のエースが決めたこと」などの権威は、モノサシの一つにしかすぎません。

評価や意思決定の際には、安易に権威に頼るのではなく、その権威はどこから生じているのか、それは、自分が評価しようとしていることのモノサシになるのかを見極める必要があります。

どんな権威に頼ろうと、その意思決定の結果は、多かれ少なかれ自分に降りかかってきます。不幸にもその意思決定が失敗に終わったとしても、他人が作った権威という得体の知れない曖昧なものに安易に頼った時には後悔するしかありませんが、自身の判断で答えを出したのであれば、その結果を受け止めることもできやすいでしょうし、何が失敗の原因であったか明らかになり次につなげることもできます。

権威は、あなたが思っているほど、確かなもの、根拠があるものでなかったりする

かもしれません。

中ノ森 清訓/株式会社 戦略調達 代表取締役社長

調達・購買業務に関わる代行・アウトソーシング、システム導入、コンサルティングを通じて、お客様の「最善の調達・購買」を実現することにより、調達・購買コスト、物流費用、経費削減を支援する傍ら、日本における調達・購買業務とそのマネジメントの確立に向け、それらの理論化、体系化を行なっている。
コーポレートサイト: http://www.samuraisourcing.com/

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中ノ森 清訓

株式会社 戦略調達 代表取締役社長

コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

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