茶番分析!『なぜ、選挙カーでは名前だけが連呼されるのか?』

2010.07.08

ライフ・ソーシャル

茶番分析!『なぜ、選挙カーでは名前だけが連呼されるのか?』

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

参議院選挙の投票日まで、あと3日。街を走る選挙カーは、賑やかである。しかし、市民は、冷ややかである。結局、何も変わりはしないのではないか・・・?みんな笑顔の選挙ポスターが貼られている掲示板を見ながら、つくづくそう思う。

経済や金融の世界は、グローバル化している。日々、変化しているという緊張感とリスクが、業界全体のレベルを底上げする。一方、政治は、どうだろう?国単位という大きなシステムであるが故に、変わらない。変われない。政治の安定の上に、経済の発展があるという構図は、完全に、崩れている。

そして、変われない政治の象徴が、「選挙」ではないだろうか。選挙運動のクオリティの低さが、その国の政治のクオリティにイコールであるような気がする。

皆さんは、ご存じだろうか・・・選挙カーでは、なぜ、名前だけを連呼するのか。実は、公職選挙法に次のように定められているからである。


車上の選挙運動の禁止


第141条の3 何人も、第141条(自動車、船舶及び拡声機の使用)の規定により選挙運動のために使用される自動車の上においては、選挙運動をすることができない。ただし、停止した自動車の上において選挙運動のための演説をすること及び第140条の2第1項(連呼行為の禁止)ただし書の規定により自動車の上において選挙運動のための連呼行為をすることは、この限りでない。

選挙カーでは本来選挙運動をしちゃいけない。しかし、停止中の演説と、走行中の連呼だけはやってもいいと言うことだ。最初から、「選挙カー無し」にしちゃえばいいものを、ややこしい上にバカバカしい・・・。

選挙事務所に、支援者の方々が集まった時に、お腹すいたでしょうとアンパン1個でも候補者側から有権者に渡ったら「利益供与」になって、公職選挙法違反。うちわ型のチラシは“涼”という利益を与えるからダメ…。前例主義の古い選挙法に、年々、理解不能の必要以上の制約が盛られていく。出口がない。日本の政治の変革のスピードは、遅くなるばかりだ。

掲示板に貼られる選挙ポスターも毎度お馴染み。みんな同じような笑顔で、大きなひらがな文字で名前を魅せて、そこにどうでもいいようなキャッチコピー。

人を選択するための選挙ポスターであるから、当然、人の顔が主役になる。大勢の人に、良い人間であると承認されたいから笑顔である。真正面からの視線である。そして、その視線の位置の近くにキャッチコピーを配置する。投票用紙には、名前を書いて貰いたいから、誰でも読める表記にして、1人でも多くの票を集める。

どれもこれも、選挙に必要な広告表現のセオリー通りなのである。「選挙カーによる名前の連呼」「みんな同じ選挙ポスター」、これら古くからの選挙の手法には、きっと科学的理由がある。行動心理学的には、正しいものだけが残ってきているのだと思う。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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