サプライヤマネジメントは何故重要なのか?

2010.06.04

経営・マネジメント

サプライヤマネジメントは何故重要なのか?

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

サプライヤマネジメントは何故重要なのでしょうか? 技術革新が進む近年においてサプライヤの能力を如何に有効活用していくか、という視点で考えなければならないからです。もっと言うと優秀なサプライヤを如何に抱え込むか、がビジネス推進上の課題だからです。

拙稿の「公共調達と民間調達」で「公共調達では『案件化』という考え方が希薄であり、つまり継続的な取引ではなく各契約毎の購買・調達になっているため、プライヤマネジメント(どういうサプライヤとどういう関係性を築いていくか?)という考え方自体必要が希薄である。」と述べました。

これは公共だけの話ではなく民間でも「何故、サプライヤ評価が必要なのか?」というような声が聞かれます。

これは本来のサプライヤマネジメントの意義を理解していないことが原因であると考えています。

それではサプライヤマネジメントの意義とは何でしょうか?
まず本題に入る前にサプライヤマネジメントの定義について述べます。
サプライヤマネジメント=サプライヤ評価ではありません。
またサプライヤ戦略もサプライヤマネジメントを構成する一要素でしか過ぎません。

サプライヤマネジメントとは公正なサプライヤ評価によるサプライヤ戦略に基づいてサプライヤを不公正に扱うことです。

ポイントは「公正な評価」に基づく「不公正な関係性つくり」です。
つまり「評価→点数が高いところにはエコひいきするという戦略→傾斜発注」というのがサプライヤマネジメントの正しいサイクルなのです。

ですがこれが何で重要なのでしょうか?
多くのバイヤーはサプライヤと日々価格交渉等で戦っています。
中には戦うことが自分の仕事だと思っているバイヤーもいます。
しかし多くのサプライヤはバイヤーと戦いたいと思っていません。
それよりも継続的かつ安定的な仕事が欲しいと思っています。
優秀なバイヤーはサプライヤと対立することよりも合意することが上手い人です。

彼らはサプライヤが継続的かつ安定的な仕事が欲しいということを理解しています。
また彼らは良いサプライヤと中長期の信頼関係を築きたいと考えています。
中長期の信頼関係はお互いの競争力強化を前提としています。
買う側も売る側もある緊張関係の中で常に切磋琢磨できるような環境にあったならば、こういう関係自体が企業全体の競争力強化に益々寄与していきます。
このような関係性つくりが正にサプライヤマネジメントなのです。

滋賀県にある大手精密機器メーカーさんの地域製造会社では上記のような取組をすることで大きな効果を実際に上げています。
彼らは限定された約20社の取引先(自発的に買い手企業とそういうタイトな関係になることを望んだ企業です)とともに現場改善の活動を数年前から進めました。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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