客が客を呼ぶ:四万温泉のスマートボール

2007.04.09

経営・マネジメント

客が客を呼ぶ:四万温泉のスマートボール

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

ディスコの「センターピン」(成功要因)は、 「混んでいること」 と見抜いたのは、ジュリアナ東京、ベルファーレなどを プロデュースした折口雅博氏でした。

人が集まるからこそ、その場に「活気」が生まれ、
楽しさを倍増させてくれるからです。

同様の理由で、周囲の反対を押し切り、
無料券をばらまいて新潟スタジアムを一杯にしたのが、
Jリーグ、アルビレックス新潟の代表取締役会長、池田弘氏。

上記の例はどちらもスケールの大きい話ですが、
店舗、とくに娯楽施設は規模の大小にかかわらず、

「客が客を呼ぶ」

というのは同じだなあと改めて思ったのが、
先日行った群馬の四万(しま)温泉の温泉街でした。

四万温泉は、近くにある伊香保や草津ほどの知名度はなく、
歓楽街もないため、温泉街はちょっと寂れた感じです。
(そこが逆に言えば魅力にもなってますが・・・)

さて、車1台がやっと通るくらいのある細い通りに入ると、
いくつかのそば屋などと並んで、スマートボール屋さんが
2軒、斜め向かいに並んでいました。

スマートボールは、私も今回始めて経験したのですが、
ピンボールのような斜め横置きの台で、ちょっと大きめの
ビー玉のような玉をはじき、5とか15とか書かれた穴に
入ると、その数だけ玉が出てくるもの。

まあ、ピンボールとパチンコの「アイノコ」と
思ってもらえればいいです。

この2軒のうち、1軒は、スマートボールとパチンコ、
もう1軒は、スマートボールと射的の複合店。

どちらも店舗面積はは同じくらいです。

でも、一方は先客万来なのに、もう一方は
ガラガラ、というか人っ子ひとりいないんです。

私たち家族は、たまたま最初に混んでいる方に入りましたが、
BGMには「ド演歌」が流れています。

「ド昭和」の香りがしました。

店主は、“若く見積もって”50歳過ぎのおばはん。
へたに声をかけるのがためらわれる「ド迫力」をお持ちでした・・・

土曜日の午後でしたが、この店には次から次へと客が入ってきます。

そして、その店を出たらすぐ反対側にあったのが、
ガラガラの2軒目の店。

スマートボールだけじゃなくて「射的」もあったので、
ちょっとやってみたいと思ったのです。

しかし、店内に客が誰もいないので入る勇気が出ません。
素通りしてしまいました。

この2軒、経営センスの差と片付けてしまうのは簡単ですが、
ガラガラ店のオーナーさんは、「サクラ」でもなんでも、
できることをやればいいのにと思ってしまいました。

1組でも先客がいれば、みな安心してお店に入れるんですけど!

こう明暗がはっきり分かれている実例も珍しいですよねぇ・・・

なお、ついでながら、今回の四万温泉の宿泊先は
老舗の「四万たむら」という旅館です。

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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