作業計画だけでなく クライアントのバックグラウンドも捉えよう!

画像: designmilk

2015.07.27

経営・マネジメント

作業計画だけでなく クライアントのバックグラウンドも捉えよう!

赤秀 有為
エフィジェント株式会社 代表取締役コンサルタント

プロジェクト成功に向けて、「クライアントはそれぞれどんな立場でどんな責務を負っているのか?」「このプロジェクトに何を期待しているのか?」また「どんな性格か?どうコミュニケーションを取るべきか?」等を見据えた上でプロジェクト遂行する必要性について提言する。

プロジェクト完了後の打ち上げ会。メンバは、クライアントは含まれない内輪メンバのみ。こんな状況下では、各メンバからクライアントに対する本音がポロポロと出てくるものである。
「××さんは、思いつきで発言するので 話す度にコロコロと意見が変わる。1回1回真に受けて対応するのではなくて、時間を置いてから 各発言のプライオリティを確認した方が良い。」「△△さんは、ストレートにものを言わないので、行間を読んで真意を汲み取る必要がある。」「○○さんの責任範囲はネット経由での販売のみなので、EC部分にしか興味がない。」「☆☆さんは、保守派で...。一方、□□さんは、改革派で...。」などなど。

みんな無意識にクライアントのバックグラウンドを見ているが、意識的でない点が問題である。
意識的にやっていない分、バックグラウンド情報を認知するまでに時間がかかる。プロジェクトが終わった後に、頭の中で体系的に整理されて、あのクライアントは ああいう人だったのねとわかる。それでは遅いのである!!もちろん、このようなバックグラウンド情報を他のプロジェクトメンバに共有しよう等という意識も働かない!

こういう貴重な情報をプロジェクトで活かしきれていないのが実態である。大変残念である。
上手く活かせていれば、クライアントを上手く説得して作業スコープを縮小できたかもしれないし、険悪な人間関係にもならなかったかもしれない。

■クライアントのバックグラウンドを上手く活かす為に、
クライアントのバックグラウンド情報を収集・共有する行為を仕組み化しましょう!
プロジェクトマネジメント業務のプロセスとして、定型化するのです。

実はこれ、PMBOKにも定義されています。PMBOK(第4版)において、プロジェクトマネジメントとして実行すべき作業として、42プロセスが定義されています。で、そのうちの下記2プロセスが、今回提言した仕組み化関連のプロセスになります。
・立ち上げフェーズにおける「ステークホルダー特定」プロセス
・実行フェーズにおける「ステークホルダーの期待のマネジメント」プロセス

詳細内容は、PMBOKを見て頂ければと思いますが、これらのプロセスの中では、「ステークホルダー登録簿」なるものを作成し、その中では、各クライアントの(性格)特性・役割・期待事項等が定義され、プロジェクト主要メンバ間で共有されます。その結果、組織として クライアントとのコミュニケーション向上が図られ、ひいてはクライアント満足の向上に...

(初回2010年5月10日掲載)

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赤秀 有為

エフィジェント株式会社 代表取締役コンサルタント

慶應義塾大学 環境情報学部卒。IBM/サン・マイクロシステムズ/PwCコンサルティング社にて、いずれもコンサルタント職として計10年在籍。 その後、エフィジェント社を創業し、代表コンサルタントとして、システムコンサルティング、システム開発活動に従事。専門システムは、デジタルサイネージ/EC/業務システム。

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