ミドル活性化の視点、「物申す」新人を

2007.09.23

経営・マネジメント

ミドル活性化の視点、「物申す」新人を

槇本 健吾
株式会社インサイト・コンサルティング 常務取締役 COO(最高業務執行責任者)

ミドルを活性化し、質の高いミドルが切磋琢磨できる組織が、優位にことを進めることができる。 なぜなら最適の次世代リーダーは、良質のミドル母集団から生まれるからである。

外部からリーダーを連れてくることができたとしても、またその方法により
成果を収めたり、業績をV字回復してもいずれ残されるのは生え抜きのミドル
たちであり自分たちで何とかできるようにしなければならない時期が必ず到
来するからである。

では、どのようにミドルを活性化できるのであろうか?

最も効果的なのは、経営層と新人でサンドイッチ形式でミドルを刺激することで
ある。

つまり、経営層は、勿論、自らミドル活性化のために、ミドルに直接働きかける
と共に、新人教育に力を入れて、物申す新人を育成することが肝要なのである。

しかも、その物申す新人が、自社の経営戦略や中期経営計画を踏まえた上で、
或いは、ビジョンや理念を深く理解した上で提言できれば、ミドル活性化の
最も効果的な方法となるであろう。

実際に、ミドルは上からの課題の雨にどう身を処すべきかを、その経験から実に
よく学んでいるのである。

しかし、自社に入ってきた新人から何か的確な指摘と改善案を受けたりすると
「これはうかうかしていられない」との良い意味での危機意識が芽生えてくる。

この健全な意味での危機意識や緊張感が企業の成長や組織の活性化には不可欠
なのである。

企業は新人研修をブランド化すべきであると私は考えるし、提唱もしている。
つまり教育ブランドの確立である。

良質の新人を引き寄せる推進力になるのである。

人材難の時代には、中位校の上位層、実力層を狙うと、上位校の中間層よりも
良質の人材が採りやすい。
その成長性や学習能力の高さ(謙虚さと意欲と比例する)を洗練された教育に
より研ぎ澄ますのである。

その点で、最近注目を浴びているワークプレイスラーニング(WPL)は、私が
人材育成世界に足を踏み入れたその当初から主張していたことであった。

教育と現場での乖離をミニマムにしていくこと、学んだ知識は、活用して初めて
価値があること等である。

そして、この健全に尖った新人こそが、今騒がれている、高度人材の育成や
最先端人材の育成のエンジンになるのである。
企業内でミドルを活性化する仕組みは、社会で先端人材を育成する仕組みの
縮図になるのである。

それで来年度(平成20年度)にこんな新人研修をしたら効果的で、即戦力性
と高い潜在成長性を両立させられるということを情報処理学会の高度人材育成
に関する、産業界が求める人材像シンポジウムでも提唱した。

産業界と大学のような高等教育機関が本格的に交差する場は、新人研修なので
ある。
教育機関からすれば、アウトプットであり、企業サイドからすれば、インプット
である。

情報処理学会シンポジウムで紹介した資料の要旨をダウンロードできるように
してある。ホワイトペーパーを参照いただきたい。

ぜひ、活用いただければ幸いである。また、率直な意見や質問も歓迎する。
説明が必要であれば喜んでおこないたいと思っている。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

槇本 健吾

株式会社インサイト・コンサルティング 常務取締役 COO(最高業務執行責任者)

個人と組織の成長を実現するために、真に効果的な人材育成のあり方を追求しています。国際競争力を併せ持つ能力開発を志ます。そのためには多様性を強みに昇華させることが肝要と心得ます。

フォロー フォローして槇本 健吾の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。