シリーズ:マーケティングなんてカンタンだ!・間違いがちなフレームワークを総点検【第7回】4Pは「混ぜないと危険!」

画像: Public.Resource.Org

2016.06.15

営業・マーケティング

シリーズ:マーケティングなんてカンタンだ!・間違いがちなフレームワークを総点検【第7回】4Pは「混ぜないと危険!」

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

前回も述べたように、コトラー先生も「マーケティングのキモはポジショニングである」とおっしゃっている。ポジショニングで「ターゲットに対する魅力の打ち出し方」を明らかに出いたら、それを「4つのP」で実現していく。それが、「マーケティングの流れ」では、いよいよ最終段階の「施策立案」ということになる。だが、その「そもそもの前提条件」忘れて施策効果は全く出なくなるので重々注意が必要だ。

【特茶の製品特徴の2点を徹底訴求:脂肪燃焼のメカニズムを明確にして、より多くの人に初めさせることを狙いつつ、ヘルシア緑茶の特徴(弱点)である「味」への対抗軸を明確にしている】

■「4P同士の整合性」と「STP」との整合性

上記のように4Pの整合性構築で一世を風靡した「ヘルシア緑茶」であるが、その抱えた弱点を巧みに突いて、4Pの要素全てで上回るマーケティングミックスを展開した「特茶」は特保飲料トップに躍り出ることに成功した。

だが、それは4Pの整合性(マーケティングミックス)のプランがうまかったからではない。当シリーズの第4回「マーケティングは流れで読み解く」で述べたように、「流れ」、即ち、4Pの手前である、「環境分析→戦略立案(STP=セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)」とマーケティングミックスがしっかり整合している点も見逃せない。
特茶のターゲットは誰か。「(楽して・飲むだけで)痩せたい人」であるのはヘルシア緑茶と同じだが、「飲んで痩せたい」と思いながらも「ヘルシア緑茶に手を出さなかった人」も少なからずいたはずだ。そこにサントリーは目を付けたのだ。
例えば、「苦すぎて味が無理(不味い)」「メタボな中年男性が必死で飲んでそうなイメージが嫌(不格好)」「少なくて割高な気がする(不利)」「量が少ない・もっと飲みたい(不足)」「何で効くのか・効果があるか信じられない(不信)」・・・などなど、よく見てみれば、たくさんの「不」の時を抱えている人が見える。
「ニーズ」とは「現実」と「理想的な状態」のギャップのことだ。ニーズを明らかにするには、「不」という文字を探すのがコツである。「不」のある所にはニーズがある。そこからサントリーは世に多数存在した満たされぬニーズを抱えたターゲットを見出したのである。
そこに対して、分かりやすい「効果のわかりやすさ(脂肪が分解して燃える)」×「(伊右衛門ブランドで)美味しい」というポジショニングを示し、引きつけて、ヘルシア緑茶とも明確な差別化を図ったのである。


4Pを一つ一つ考えるだけでなく、「全体の整合性」「ミックスの効果」に留意しつつ、「マーケティングの流れ」である、その手前の「STP」との整合性にも十分留意すること。それが、最終的に成功する実施プランを作り上げる秘訣であり、必須条件である。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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