「子ども手当」の実現性とその市場効果

2010.02.05

ライフ・ソーシャル

「子ども手当」の実現性とその市場効果

今野 篤
株式会社経営教育研究所 代表取締役

昨年の衆院選で歴史的勝利をおさめた民主党だが、マニュフェストの実現性、外交手腕、経験不足、総理・小沢代行の金問題など、政治的不透明が拭えない。そのような中、本稿では、マニュフェストのひとつである子ども手当の実現性とその市場効果を分析してみる。

記事は経営教育研究所2009年8月30日掲載より加筆・修正

民主党が掲げる「子ども手当」は、16歳未満の子供を対象に、1人当たり月額2万6000円、年額にすれば31万2000円を、年3回4カ月分ずつ支給するというもの。 2万6000円という金額は、こども未来財団や中央教育審議会の調査を元に民主党が独自に算出した。

0歳から14歳までの食費、洋服代などの生活費や保育料、授業料などの学費の平均額から割り出した「子供が育つためにかかる費用」の月額2万5000円余りが根拠となっている。子ども手当の年間予算案は、事務費も含めると約5兆6000億円。財源は「予算の総組み替えで、子ども手当は初めに確保する。どこかを削って付け替えるわけではないから心配はない」(民主党政調)とは言うが…。

増税前提の政策、高所得者も恩恵などと批判があるが、「子ども手当」は今年度6月より支給される。6月の支給はやや変則的で最初の支給となる6月分は、2、3月分の児童手当と、4、5月分の子ども手当をあわせて支払う。例えば、小学生と中学生の子供が2人いるとすると、支給総額は…、

児童手当2、3月分 … 5千円 × 2人 × 2ヶ月分 = 2万円
子ども手当4、5月分 … 1万3千円× 2人 × 2ヶ月分 = 5万2千円
(子ども手当の初年度は半額の1万3千円支給)

合計7万2千円になる。児童手当の年収制限にかかる家庭でも、子ども手当の5万2千円は支給される。政府の懐具合が寒い中、民主党が「子ども手当」に拘るその理由は4つある。

ひとつ目は、先の選挙戦で大々的に「子ども手当」をうたってきた民主党、まさか初年度で支給しない訳にはいかない。2つ目は、実施にあたって2010年度は半額支給から始める予定であり、この財源は、配偶者控除廃止、21年度補正予算の見直し、そして無駄遣いの排除から確保できるるからである。3つ目は、増税もしくは国債の発行といった切り札を持っているからである。4つ目は、民主党には旧社会主義政党のDNAがあり、均等政策の名残りがある。

ちなみに、フランスの子ども手当は高所得ほど有利だ。なぜなら、高所得者は知的水準が高い傾向があり、その人達にたくさんの子孫を残してもらえば、国も強くなるという発想からである。この辺は、歴史的背景やお国事情の違いが出ている。

それでは、「子ども手当」が実現すればその市場効果はいかがなものだろうか。

主婦マーケティングに強いハー・ストリィ「今ドキ主婦のお財布事情」調査によると、「外食代」を節約中の主婦は7割にのぼり、「食費」6割、「被服費」5割と続く(複数回答)。 女性のプチ贅沢や衝動買いが多い食・衣分野は、 自由回答にあるように「必要な分だけ買う」「安売りに飛びつかない」など無駄・無計画を避けるだけで節約になり、生活水準に影響させずに節約できる分野といえる。

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今野 篤

株式会社経営教育研究所 代表取締役

教育ビジネスのアナリスト/コンサルタント。専門はフランチャイズ(FC)とデジタル関連。個別指導FCやベンチャーなどの教育機関を経て、2009年に民間教育シンクタンク経営教育研究所を設立。教育と異業種を結ぶエデュイノベーションLLPパートナー。

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