『愛があれば大丈夫』はクラシックだった~広瀬香美さん~後編2

2010.01.18

経営・マネジメント

『愛があれば大丈夫』はクラシックだった~広瀬香美さん~後編2

ITmedia ビジネスオンライン
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広瀬さんといえば、軽快な曲を伸びやかに歌い上げるハイトーンボイスを連想する人も多いだろう。実は広瀬さんは5歳から音楽の英才教育を受け、国立音楽大学卒業というクラシック畑の出身。その彼女が、ポップス歌手として活躍するに至った事情とは……? [嶋田淑之,Business Media 誠]

 

 広瀬さんを語る上で、もう1つ欠かすことができないのは、“教育者”としての側面だろう。1999年10月、彼女はヴォーカルスクール「Do Dream」を自ら立ち上げ、今も校長を務めている。

 「音楽の使い方を知っていると、人生が豊かになります。ですから、多くの人にそれを伝えるために音楽教育も始めたんです」。暗い現代にあって、音楽を通じて、人に微笑みをあげたいと願う広瀬さんらしい取り組みである。

マイケル・ジャクソンの死、そして未来に向けて


 2009年6月、マイケル・ジャクソン死去。広瀬香美さんの「マイケルに自分の曲を歌ってもらう」という目標は、ついに実現されることなく、見果てぬ夢に終わってしまった。

 しかし、彼女がこの壮大な目標を掲げたからこそ、「シンガーソングライター」としての広瀬香美さんは誕生し得たのである。そして、その彼女の歌によって、一体どれほど多くの人たちが“微笑”を得ただろうか。

 本原稿の執筆中、長崎で不治の難病と戦っている女性から筆者のもとに1通のメールが届いた。その女性は広瀬香美さんの歌が大好きで、日々の生活の中でよくCDをかけ、自分でも歌っているとのこと。そして、彼女の十八番(おはこ)は「DEAR….again」であると綴られていた……。

 これは、ほんの一例に過ぎない。たとえ広瀬さんのツアーに行かなくとも、あるいはTwitterに参加していなくとも、全国津々浦々に、広瀬さんの歌を愛し、心の拠り所にしている人は大勢存在するのである。

 最後に、広瀬さんにとって、時代がどう動こうと決して「変えてはいけないこと」(=不変)は何か、そして、環境変化に即し「非連続・現状否定」型で「変えていかなければいけないこと」(=革新)は何か、について訊ねてみた。

 「“音楽を通じて、人を幸せにする、笑顔にする”ことは、自分の人生のミッションとして、何があっても決して変えてはいけない部分だと考えています。その一方で、時代の変化を素直に認めること、昔のやり方から脱皮して新しいことにチャレンジしてゆく勇気、変化を恐れないという姿勢が必要だと思います。それまで経験のなかったブログやTwitterへの挑戦は、まさに、そうした姿勢の現われだと思っています」

 「不変」と「革新」の対象を的確に識別し、「不変」を堅持するとともに、「革新」を断行していることが伺われる。現代において成功を収めているビジネスリーダーたちとも共通する姿勢である。

 「今後は、『作曲』『歌』『教育』をバランスやってゆきたいです」と語る広瀬さん。きっとこれからも、日本全国に“微笑の輪”を広げてくれるのではないか……そんな気がしてならない。

~『愛があれば大丈夫』はクラシックだった~広瀬香美さん後編~終わり

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