コカ・コーラのブランドマーケティング(2)90'sのジョージア復活

2009.12.11

営業・マーケティング

コカ・コーラのブランドマーケティング(2)90'sのジョージア復活

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

日本で消費される缶コーヒーは年間100億本。 金額ベースでは8,000億円に達します。 清涼飲料メーカーの間では。 “缶コーヒー市場を制するものが、清涼飲料市場を制する” と言われるほど重要なカテゴリーです。

このため、

コカ・コーラ(ジョージア)
サントリー(BOSS)
キリン(FIRE)
アサヒ飲料(WONDA)

といったトップメーカーの新製品開発や、
広告・販促施策における競争は熾烈なものが
ありますよね。

さて、現日本コカ・コーラ会長の魚谷雅彦氏が
1994年に同社に入社した時、まず早急な建て直しを
求められたのが、

「ジョージア」

でした。

ジョージアは当時、
矢沢永吉さんをコマーシャルに起用した

サントリー「BOSS」

の人気に押されて、
じりじりと売上げを落としていたのです。

当時のジョージアの市場シェアは43%。
トップブランドの地位は保っていました。

また、ジョージアの

「認知率(助成認知率)」

は90%以上。

実質、日本人なら誰でも知っている
ブランドと言えますね。

ところが、

「缶コーヒーと言えばどのブランド?」

という質問で確認する

「非助成認知率」

では、一位がBOSS、
ジョージアは二位だったのです。

つまり、当時のBOSSのシェアは
10%以下だったにも関わらず、
ブランド力では、BOSSに負けていた
というわけです。

当時、消費者の購買行動が
変わり始めていました。

缶飲料は、従来ほとんど自販機で
買われていました。

現在でも自販機の約半数はコカ・コーラが
展開していますが、自販機を通じた強力な
販売力が同社の強みの一つです。

ジョージアがトップブランドになれたのも、
同社製品しか買えない自販機のおかげ。

しかし、コンビニが普及したため、
缶飲料が自販機ではなく店舗で買われる
機会が増えてきたのです。

様々なブランドが並ぶコンビニの場合、
ブランド力が強いほうが勝ちます。

要するに、コンビニなどの小売店では、
ジョージアではなく、BOSSを選ぶ人が
増加した。

結果的に、ジョージアの全体的な売上げの低下に
つながっていたのが90年代中ごろの状況でした。

では、なぜブランド力が、
低下していたのでしょうか?

魚谷氏とジョージアのチームが
その原因を検討した結果、

広告に問題あり

という結論になったそうです。

当時、ジョージアの広告は、
アトランタ本社が主導していました。

アメリカでは、「ジョージア」は、
ブルーカラー(肉体労働者)の飲み物と
認識されていました。

このため、当時の広告では、

マッチョな体つきの港湾労働者が
汗だくになって働いた後にジョージアを
おいしそうに飲む

といったストーリーが展開されていたのです。
(ジョージアは日本発の飲料ですが、
やはり本国の意向に大きく左右されるんですね)

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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