「ケータイらしいケータイ」って何だ?

2009.11.27

営業・マーケティング

「ケータイらしいケータイ」って何だ?

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

各社から携帯電話の「冬モデル」が発表された。その中で目をひくのは・・・。

 電車の中で新しい携帯電話のポスターが目に止まった。auの「カシオ・CA003」。(http://k-tai.casio.jp/products/ca003/)ケータイカメラはついに12.2メガだ。それに「顔認識」は当り前、各種のシーンに応じた撮影モードや、画質劣化のしない20倍ズーム、高速連写に、カシオのお家芸である「ダイナミックフォト」、つまり静止画・動画合成機能まで搭載している。はっきりいってこれは、カシオのデジカメ・EXILIM に携帯電話機能を搭載したようなものだ。・・・確かに「EXILIM ケータイ」といっている。

 派手な機能だけでなく、カシオの 「EXILIM ケータイ」のブランドコンセプトはしっかりしている。
 <撮りたくなる。伝えたくなる。 毎日持ってるケータイだから、思いついたらすぐ撮れる。偶然出会ったその瞬間を、大切な人と送り会い、伝えあって、キブンやキモチを共有できる。誰かと誰かをPhotoでつないで、Communicationを楽しもう。(後略)> (カシオWebサイトより)
 まさしくケータイカメラの本質を突いている。
 今日、デジカメで撮影した写真はほとんどプリントされない。デジカメ本体の液晶画面も大型化し、SDカードなどのメディアも大容量化していることから、カメラ自体が「持ち歩けるアルバム」と化してそれを人に見せることが多い。しかし、それよりメールで送れば離れた人とも、そしてより多くの人とも共有できる。そうした消費者のニーズは大きいはずだ。少なくとも筆者は最近、ケータイで気になるものを撮影して人に送るということが、撮影という行為そのものになっている。

 「撮影→送って共有」というアクションは、ケータイだけでなくデジカメでも始まっている。「CEREVO CAM」。(http://cerevo.com/)内蔵の無線LAN機能かイーモバイルの着装で、撮影したその場ですぐに画像をアップロードでき、共有できる。「世界一写真をシェアするのが簡単なカメラ」がコンセプトだという。

 生物学では「収斂進化(しゅうれんしんか)」という。「複数の異なるグループの生物が、同様の生態的地位(環境要因)についたときに、系統に関わらず身体的特徴が似通った姿に進化する現象(Wikipediaに加筆)」。空を飛ぶ「昆虫の翅と鳥・コウモリ・翼竜の翼」土中で生活する「モグラと昆虫のケラの前足」などがその例である。各々の生物が環境に適応するために器官を進化させた結果、同等の機能を獲得する過程で極めて似た形状となることを示している。  
 ケータイとカメラも「撮影→送って共有」という使われ方、消費者のニーズの高まりという環境変化に適応するため、収斂進化したのだと解釈できる。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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