”To Be Or Not To Be”アサヒビールはどこまで踏ん張るか?

2009.11.26

営業・マーケティング

”To Be Or Not To Be”アサヒビールはどこまで踏ん張るか?

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

「全品均一価格居酒屋」が繁盛する中、頑なに発泡酒の「樽」を出荷せず、踏ん張っているビールメーカーがある。アサヒビールである。

 さらに気になる動きもある。日経MJの記事はさらに今後、主戦場は発泡酒からより安価な第3のビールに移る可能性も示唆している。サッポロビールが9月末に「麦とホップ」の樽詰めを全国発売したからだ。均一価格居酒屋では、ビールは通常店で400mlのところ、300ml。発泡酒なら500mlの大だという。記事では「低価格均一価格居酒屋に第3のビールによる特大ジョッキが登場するかもしれない」と予想している。
 サッポロビールの「麦とホップ」は「麦芽2倍で、ますますビールと間違えるほどのうまさへ」とのキャッチコピーで売り出している。CMキャラクターの田村正和も「私には、ますますビールです」と言う。ビールに命を賭けるアサヒには恐らく我慢のならないコピーであろうが、市場の評判は悪くない。

 わずか1年でジリ貧の状態から「スーパードライ」で奇跡のトップシェアを奪取した成功体験が、その後の動きを鈍らせているわけではないだろう。
 『お客様のさらなる「うまい」のために』が、スーパードライの「挑戦」だという。妥協せず、料飲店では自らの信じる最高の味、「スーパードライ」を提供し続けることが、アサヒビール自身の「挑戦」なのだ。この戦いは攻めの挑戦ではない。どこまで踏ん張れるかという挑戦である。その挑戦の行方から目が離せない。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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