就活生へ。「自己分析」より大切なことがある。

2009.10.02

組織・人材

就活生へ。「自己分析」より大切なことがある。

川口 雅裕
組織人事研究者 /NPO法人「老いの工学研究所」理事長/一般社団法人「人と組織の活性化研究会」世話人

10月1日は、新卒の就職サイトが一斉にオープンし、就職活動シーズンがスタートする日ですが、就職活動に際して改めて思うことを、就活学生の皆さん(と大学のキャリアセンターの職員の方々)にメッセージしたい。 (インサイトナウの読者層と、やや違うのは申し訳ありません。)

いつのころからか、「就職活動は自己分析から」というのが常道になってしまいました。学生だけでなく、キャリアセンターの職員も一つ覚えのように「自己分析が大事」と繰り返しますが、これがいわゆるミスマッチや早期退社の原因のひとつになっているように感じてなりません。

私は、就活学生の皆さんに、「自己分析」なんていう大して意味ないことに力を注いだら、かえって失敗する危険性が高まるよ、と申し上げたい。理由は三つあります。

一つ目。
就職活動というのは、自分で自分と会社を上手にマッチングさせるという作業です。そのためには、自分のことと、マッチングさせる対象である会社のことを知る必要があります。だから自分のことを理解するために「自己分析」が必要だということなのですが、たとえ自分のことが分かったとしても、マッチングさせる対象としての会社や仕事を間違って理解したり、よく分からなかったりしたら上手なマッチンング出来ません。

会社や仕事が分かることが、学生さんに可能か。会社というものは、“自分”と同じように深い。会社や仕事とはそんな簡単なものではないし、だいたい会社の中にいてもなかなか分からないのに、広告や説明会や企業研究やらで理解できるはずはありません。だから、「自己分析ができたら、間違いのない会社選びが出来るようになる。」というのは、大間違いです。

二つ目。
自己分析ができたおかげで、自分に向いている会社に入ったとしましょう。でも、配属はどうなるか分かりません。どんな仕事をするかは、会社が決めることです。どんな人が上司になるかも分かりません。向いていると思った会社に入ったとしても、合わない上司につくかもしれないわけです。更に、その会社がその後どうなっていくかも、その会社にいる人も含めて誰も分かりません。

会社というものはどうなるか分からないし、自分が何をしていくのかも分からないし、それらは自分で決められることではない、ということを理解しなければなりません。要は、混沌とした未来から見てみれば、自己分析をベースにした選択なんてとても微力なのです。自己分析もキャリアをデザインするのも、やることは否定しませんが、ビジネスパーソンとしてのキャリアは、縁や偶然に大きく左右されることを無視してはいけないのです。

三つ目。
自分を進化させる、自分を変えていける人でないと、内定という目の前のことも、一人前になってキャリアを積んでいくことも出来ないということ。「今の自分に適した仕事を探そう」なんていうのは、それとは反対の考え方で、適職探しのために自己分析に取り組むのであれば、やればやるほどショボクなります。そんな考えの人を、企業は採用する気にはなりません。

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川口 雅裕

組織人事研究者 /NPO法人「老いの工学研究所」理事長/一般社団法人「人と組織の活性化研究会」世話人

組織人事関連(組織開発・人材育成・人事マネジメント・働き方改革・健康経営など)や、高齢者・高齢社会をテーマとした講演を行っています。

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