「お客様の声は宝の山」は伝説ではない

2007.08.31

営業・マーケティング

「お客様の声は宝の山」は伝説ではない

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

書店へ行くと平積みで「クレーム対応本」が販売されている。 しかし、いわゆる「クレーム」や「クレーマー」という定義は未だ世間で曖昧なようだ。 少し整理してみようと思う。

そもそも「クレーム」とは何か。
これがまた曖昧。
ともすると「クレーム」は迷惑行為であるかのように受け取られ、「クレーマー」は悪者視される。
本当にそうなのだろうか。

Wikipediaから引用する。
<クレーム(英:Claim )とは、原義では「要求」やその要求の正当性を主張する事。苦情(くじょう)を指すが、他の意味では契約違反における損害賠償に関しても同語が用いられる。日本語に於ける和製英語としてのクレームでは、しばしばごり押しによる不当な強迫行為と混同されるケースも見られる。>

要素が少し渾然としているようだ。
そもそもが”claim”と”complaint”が一緒になっている。
ジーニアス英和辞典では以下のようにある。(主な部分抜粋)

【claim】
1.求める,必要とする 
2.(当然の権利として・自分の所有物として)〈物・事・損害賠償〉を要求する,請求する

【complaint】
1.不平,不満,泣きごと,愚痴
2.不平[不満]の種;[遠回しに] (身体の)病気
3.不平[不満]の訴え
4.〔法〕不服申立て;告訴;((米))(民事訴訟における)原告側の最初の申し立て

上記を見ると、claimの2とcomplaintの4が似ていて混乱を招くきやすいが、語義としてはclaimは「求めること」。complaintは「(不明・不満を)言うこと」であろう。

一般にネガティブに受け取られる「クレーム」という言葉は「狭義の」claimの方。
Wikipediaが指摘する「ごり押しによる不当な強迫行為」を指しているのであろう。
「東芝クレーマー事件」などの記憶がよりそれを強めている感もある。

言葉の定義というものは重要だ。「クレーマー」を指弾するなら、「悪質な、ごり押しによる不当な強迫行為を為す者」を、「悪質なクレーマー」と明確に分類してはどうか。

生活者が企業や行政に物を言うことは少しも悪いことではない。
それが、指弾されるのであれば、言論に対する抑圧である。
そこに不当性があるかどうかが問題なのだ。

例えば、claimにおいて、本来の意義通り「 (当然の権利として・自分の所有物として)〈物・事・損害賠償〉を要求する,請求する」ことに何の問題があろうか。そこに「客観的な正統性」があるのであれば。

また、ここで大事なのは「当然の権利としての”事”」に、「誠意ある対応」や「謝罪」が含まれていることだ。
サービス提供者も完璧ではない。いや、何らかの明確な落ち度を指摘されているケースも少なくない。
では、落ち度があるのであれば、それを認め、、「誠意ある対応」や「謝罪」を行うのは至極当然なことである。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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