社内政治に絶対負けない法

2009.08.27

組織・人材

社内政治に絶対負けない法

木田 知廣
シンメトリー・ジャパン株式会社 代表

組織の中で「正論」を通すために、優秀な人ほど「論理思考で武装しよう」と考えがち。でも、それでうまくいきますか?より重要なのは、「社内政治に負けない力」。誰も語らないその真実は…

「なんでこんな理不尽な話がまかりとおるんだ!」

組織内で働く人ならば、一度ならず感じたことがあるでしょう。

練りに練った企画はワケの分からない理由で否定されるし、当たり前の改善提案はちっとも動かない、おまけに仕事もしてないくせに給料だけは高いオヤジが大きい顔をしている…

そんな時、多くの人は思います。「もっと、分析とかキッチリやって、相手を論破できるだけの材料をそろえなきゃいけないんだ」、と。

そのために論理思考を学ばなきゃ、と言うのが良くあるケースですが…、でも、それでうまく行きましたか?

たいていの場合は、「なんだか理屈っぽくなりやがったなぁ」と周りから煙たがられて終わり。自分のやりたいことを社内で通すというゴールには全然近づけず、フラストレーションはたまるばかり…

筆者はこれまで、1,000人を超えるビジネスパーソンに論理思考を教えてきましたが、そんな「空回り」をしてしまう受講者を何人も見てきました。

成果を上げるカギは政治力

ところが、一方ではいるんですね。

論理思考で学んだことを活かして、自分の企画に周りを巻き込みながら社内で実現させていく人が。

違いは何か?を一言で言うならば、

  「成果を出せる人は、社内政治に勝つための方法論を知っている」

点にあります。

「社内政治」って言うとダーティーなイメージがあるかもしれませんが、現実にはどの組織でも多かれ少なかれあります。しかも、「人は論理で納得し、感情で動く」なんて言葉もあるぐらいで、人を動機付けるためには、必要不可欠。つまり、政治力はいわば「必要悪」なんですね。しかも、「必要」の部分に重きをおいて考えるべき。

と言うと、

  「でも、政治力って、生まれながらのセンスの問題でしょ?」

と反論されそうですが、これはまったく見当はずれ。リーダーシップがそうであるように、政治力も後天的に開発可能なスキルです。

「情報のアービトラージ」が政治力の源泉になる

たとえば、政治力を持つための一番基本的な材料ってなんだと思います?

答えは、

  情報

つまり、社内の各部署で、「誰が、何をしているのか」を知ることが、政治力の源泉になるんです。

たとえばそれは、「今度マーケティング部で、顧客の聞き取り調査をやるらしいよ」という、それ自体はごくありふれた情報でも良いんです。その情報を営業に持っていけば、「あ、じゃあ、オレの担当する顧客には、良い回答をしてもらえるよう、今から仕込んどこう」となり、営業担当者にとっては価値ある情報に変わります。

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木田 知廣

木田 知廣

シンメトリー・ジャパン株式会社 代表

経営大学院立ち上げという類まれなる経験をした「人材育成のプロ」

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