「もんでいい?」はファンタであってファンタでない?

2009.06.04

営業・マーケティング

「もんでいい?」はファンタであってファンタでない?

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

6月1日発売の「ファンタ もみもみ フローズン」。「ふるふる」で炭酸飲料に禁断の「振る」という属性を加えたファンタは、1958年の発売以来、ついにここまで来たかという進化を遂げた。

待ちに待った(?)発売日。だがしかし、コンビニの店頭には並ばなかった。配貨の都合なのか。遅れること1日。冷凍の棚にグレープ味1フェースのみが登場した。強大なチャネル支配力を持つ日本コカ・コーラといえども主戦場の飲料棚以外では勝手が違うということか。
気がつけば前日まであった「アクエリアス ビタミンガード 冷凍PET」が姿を消している。その商品を犠牲にして「ファンタ もみもみ フローズン」の棚を確保したということか。

既存製品を引っ込めてまで展開する「ファンタ もみもみ フローズン」には、日本コカ・コーラの並々ならぬ力の入れようを感じる。朝青龍関の演じる「ファン太郎」のCM、『ファン太郎が行く 発音』篇は、筆者好み(おっとっと・・・)のメガネの外国人女性教師に「もんでいい?」と発音するという、相変わらずの軽妙洒脱ぶりを発揮している。それ以外にも、なんの意図か朝青龍関の氷像を作るなど、話題喚起に躍起だ。そんな内容を伝える新製品のニュースリリース( http://www.cocacola.co.jp/corporate/news/news_20090528_01.html )もかつてなく盛りだくさんである。

待望の商品を飲んでみた。いや、飲む前にはもまなければならない。「もんでいい?」ってな感じで。
もみもみもみもみもみもみ。手が冷たい・・・。
そう、ニュースリリースでは商品の使用方法として「体を冷やしながらほどよく溶かそう」として、「暑い夏に、海やプール、花火大会などのイベントで、またお風呂上りに火照った体を冷やしたいとき」と、正しい利用シーンが書いてある。6月初旬。ちょっとまだ早かったか。

で、飲んでみたというか、シャリシャリ食べてみた。う~ん、ファンタらしいグレープ味が口中に広がる。その時、自分がティーンエイジャーな気分になる。なんというファンタスティック。
しかし、同時に「あれ?」と思う。「シャリシャリ」はいいけど、「シュワシュワ」がない・・・。

先の衝撃の商品、「ファンタ ふるふるシェイカー」は、炭酸飲料を振るという禁断の扉を開き、さらには日本コカ・コーラが「ゼリーのプルンとした食感と炭酸のシュワシュワを同時にお楽しみいただけるユニークな炭酸飲料」と商品特長を伝えるとおり、その期待を裏切らない感触が楽しめた。
しかし、「ファンタ もみもみ フローズン」には全く炭酸が感じられない。・・・ってことは、これってファンタじゃないじゃん!という感じもする。さすがに炭酸を凍らすのは無理ってこと?
しかし、ファンタという飲料の製品特性を考えれば、それは極めて異常なことではないだろうか。製品の中核たる価値はフルーツ味の炭酸が醸し出す「甘いのにスッキリ」ではないだろうか。その属性を捨てて、「甘くてシャリシャリ」にしたわけだ。でもそれって、ただのシャーベット?

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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