コミュニケーション効率を劇的に上げる秘訣

2007.08.06

組織・人材

コミュニケーション効率を劇的に上げる秘訣

斎藤 日登美

「目標達成型」と「価値観型」、この2つのタイプ分けについて聞いたこと があるだろうか。人間には様々なタイプがある。色んな分け方があるし、 自分に合ったタイプ分けを参考にすればよいと思うが、特に会社における 目標を達成しようとするとき、人をいかに動かすのか、というのは大きな 課題だ。そんなとき、この「目標達成型」と「価値観型」のタイプ分けに ついて知り、活用すると、コミュニケーション効率は劇的に上がる。

想像してほしい。

ある健康器具の会社。2週間先には300人を集めるイベントが控えている。
なのに今のところ集客状況はたったの150人。
このままでは2週間先に300人の集客なんて絶対に不可能だ。

そこで営業部長が10人の営業を集めて会議、ハッパをかけ始めた。
「おい、おまえら、あと2週間で300人集めなきゃいけないのに、
今たったの150人しかエントリーしてないんだぞ。これは由々しき
問題だぞ!あと150人、2週間で集客だ!各人顧客リストをしらみつぶし
にあたって、なにがなんでもあと150人エントリーさせるんだ!
やるべきことをやればきっとできる。300人集められたらお前らに
とってすごい自信になるぞ。頼むぞ!」

営業部長の言葉を聞き、「そうか、ヤバ。やらなきゃ!」と思って活動を
開始するのはおそらく10人のうち2人。あとの8人は、「えーでも、来たくない
人を無理やり呼んでもなぁ」とか、「別に何が何でも300人じゃなくても、
150人でも来てくれた人に喜んでもらえるイベントになったらそれで
いいんじゃないのー」とか思いながらぽかんとしている。

この営業部長の言葉を聞いて、「そうか、やらなきゃ!」と思って活動
開始出来るのは「目標達成型」である。目標達成型の人は、社長や部長クラス
にも多いが、定量的な数字や目標と定められたことを達成すること自体に
喜びを見出すタイプである。成果は決めて出し、行動するのが基本的に
好き。そして目標を達成するためならありとあらゆることをやるタイプで、
目標達成することを基準にして物事を判断する。
だから、「やるべきことをやればきっとできる」とか、「やりきった後には
自信がつく」などの言葉には強く反応、同調する。なぜなら彼らは
基本的にそういう生き方をしてきているので、「やればできる」
「やり終えたら自信がつく」ということを体験として既に
持っているのだ。だから彼らにはある目標を与えれば、細かな指示を
与えなくても目標達成の為に何をしたらいいのかは自分で考え、決断できる。
この営業部長はまさに目標達成型のリーダーなので、彼自身も定量的な目標
達成にこだわってあらゆる手を打つだろうし、こういう言い回しになってくる。

さて、ご想像の通り、あとの8人はまさしく「価値観型」である。
価値観型の人というのは、先の営業部長のような言葉を言われても、緊張感も
なければ全くぴんときもしない。営業部長にとってみれば、なんて響かない
鈍感なやつらだ、と憤懣やるかたない人々である。しかし彼らは基本的に、
定量的な数字や目標というものは、むしろ「足かせ」くらいの感覚を持って
いて、その重要性は理解しない。なぜなら彼らは「人に喜んでもらう」ことや
「誰かの役に立つ」といったことのほうがうんと大切。目標達成は大切だとは
思うが、目標を達成するための理由に納得して、しかもやり方にこだわりたいし、
成果はあとでついてくるだろうと思っているタイプだからだ。物事は、その場
その場で自分の感情や価値で判断する。それが彼らの価値観なのだ。だから
価値観型のリーダーの場合、職場の雰囲気はいいのだが、いまひとつ定量的な
成果を出すことが苦手なタイプも多かったりする。

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