商社マン しんちゃん。 走る! (6)

2009.06.01

営業・マーケティング

商社マン しんちゃん。 走る! (6)

三宅 信一郎
株式会社BFCコンサルティング 代表取締役

~高度成長からバブルを駆け抜け、さらなる未来へ~ 1980年~90年台にかけての日本経済のバブルが膨れ上がって破裂前後の頃の、筆者のドロドロの商社マン生活の実体験をベースに、小説化しました。 今も昔も変わらない営業マンの経験する予想を超えた苦楽物語を、特に若手営業マンに対して捧げる応援メッセージとして書きました。

関西弁で話されると、封印していた関西弁がつい出てしまう
宮田であった。

なぜ封印しようと思ったか。
大学時代、札幌で地元の女子大生らと滅多にない合コンを
している時、得意になって関西弁、それも大阪の南の
泉州弁をしゃべっていたら、その女子大生らから一斉に
言われたことばがショックで、それ以来、就職したら
出来るだけ関西弁は出さないようにしようと決めていた。

「大阪弁で一方的にしゃべられると、何かだまされそうな
感じがして、気持ち良くない・・・」

マイクが、口を開いた。

「なぜ、総合商社にマーケティング組織がないんか?
それはやね。 各自みな自分でその機能をやるから
必要ないねんな。」

「商社は、取り扱い品目がめっちゃ多いんよ。 
マスコミなんかは{ラーメンから原発まで}とかなどと
呼んだりしたりするわいな。 

そやから、とてもひとつのマーケティング組織で、
すべての商品やビジネスのマーケティングを取り仕切る
ことは土台無理っちゅうもんやねんな。 

例えばやな、君がやっている機械やプラントビジネスの
ように、一発ドドン!とでかいのかまして、ガーンと当てて、
あとは寝て暮らすみたいな。
そんな狩猟民族の代表のような、山師みたいなことやる
ビジネスのマーケティングと、パプアニューギニアとか
ベトナムから、熱帯雨林を切り開いて植林からやって
何年もかけて木を育てて、木材をバルクで長きにわたって
日本に輸入して、こつこつと販売するビジネスのマーケ
ティングとは違うんや。 

そやから、商社の場合は、各部課あるいはチームや
個人単位でマーケティングを行うんや。 

ええか。 商社マンちゅうのは単なる営業マンと
ちゃうんや。

商社マンはみな、物を売りながら、あわせてマーケティング
活動も行うんやで。

もちろん、うちにも広報部というのはある。

ただ、これはマーケティングの大きく4つある戦略、
通称4Pといわれる、
Price(価格)、
Product(製品・サービス)、
Place(チャネル)、
Promotion(販売促進)
のなかの,Promotion戦略ということをやってるんよ。

Promotion戦略っちゅうのは、ステークホルダー向けの
広報・宣伝活動、パブリシティのための組織であってやな、
あくまで一部のマーケティング活動なんよ。

ステークホルダーって、自分わかるよね?」

「は、はい!?」

< ん? ステーキホルダー??? >

「あ、自分、そのリアクションやる。
多分分かってへんね。 まー、ええけど。 
いずれにしてもやね。 このマーケティング感覚を
ガツンと磨いていかんと商社マンはやっていけまへんで。

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三宅 信一郎

株式会社BFCコンサルティング 代表取締役

事業力強化・新規事業開発・創業支援コンサルタント 自動認識基本技術者 (JAISA:(社)日本自動認識システム協会)認定

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