斜陽企業の憂鬱

2007.08.06

組織・人材

斜陽企業の憂鬱

横井 真人
産業能率大学 教授

次の業界再編はどこでしょう?次は自分の番かも知れません。ある会社で行った意識調査で分かったことは・・・。

議論を深めることで、本社と工場、既存事業と
新規事業の間に在った溝ががだんだん埋まってきました。
例えば既存事業の営業部門の方は自分たちは
新規事業のためになる情報収集をする役割を果たしていない、
と認識できたのです。

新規事業を一手に引き受けているある事業部長は押しつぶされそうな
プレッシャーと自分だって「答え」がない中、判断をしてきた心境を
始めて吐露できました。

一番の問題だったのは、工場の敷地を整地し、賃貸することで、
本業の経常利益の3倍の賃貸料が得られることです。
つまり土地貸しをする方が本業より儲かってしまうのです。
なぜ不動産事業を伸ばすべきという声が50%もあるのかが、
ようやく分かりました。
これでは誰でも真剣に事業を考えることがバカらしくなるでしょう。

自分たちの将来も、会社の資産をどう運用すべきかについても、
管理職一同が団結すれば、なんらかの影響力はあるはずです。
どこかの会社に買収されてからでは遅いのです。
人も土地も切り売りされてしまってからでは取り返しがつきません。

とりあえず息がつければいいじゃないという、
安易な気持ちと考えこそが一番のハードルなのだと、
つくづく考えさせられた取り組みでした。

次回へつづく。

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横井 真人

横井 真人

産業能率大学 教授

個人と組織のパフォーマンス向上を研究。人の行動をスキル、知識、行動意識、感情能力、価値観等の要素に分解し、どの要素が行動に影響を与えているかの観点からパフォーマンスを分析。職場のコミュ二ケーション、リーダーシップ、チームビルディング、ファシリテーション、ソリューション営業、マーケティング等の具体的施策に視点を活用する。

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