飲料業界に「飲む○○」が流行するようになったのはいつの頃からだろうか。最近では、「飲むプリン」、「飲むゼリー」などなど、やたら目にする。しかし、その歴史は意外と古いのだ。
この展開も「ブランドエクステンション」ではあるが、失敗を恐れず何度でも挑戦できるのは、母体となるブランドが強固であるからだ。「飲むフルーチェ」に失望しても、フルーチェが嫌いになる人はあまりいないはずだ。そんな強みを活かして、「フルーチェ ハンディータイプ」はさらにリニューアルを重ねるかもしれない。筆者も小学校5年生の家庭科の授業で、カレーの副菜としてフルーチェを初めて自ら作って以来のファンとして支持したいと思う。
ユーザーのニーズに応えるべく、多様化を見せる「飲む○○」。飲料メーカーでないハウス食品もこだわりを見せているのだから、もう一歩踏み込んでこんな商品はどうだろう。
「ご飯が食べたい!でも、食べられない!」。で、「飲むククレカレー」。
コンソメやコーンポタージュを缶入り飲料にした製品は数多い。食事代替需要を満たすものだ。また、沖縄には古くから米飲料の「ミキ」という飲料がある。ご飯を甘くにこんでとろみを出した甘酒めいた炭水化物飲料だ。忙しいときにご飯代わりに飲んだのが発祥だという。現在は缶入り飲料として当地で販売されている。
「食べたいけど、ご飯が食べられない」というニーズギャップに応えるべく、ハウス食品もお得意の「ククレカレー」で挑んではどうだろう。ブランドエクステンションで、何度か失敗しても、ククレカレーほどの強固なブランドならきっと大丈夫だ。
「マーケティングの基本は、顧客のニーズを発見し、それに応えること」である。「飲む○○」も、ますます多様な展開を見せてほしいと思う。
参考記事:「会社でお菓子を食べてはいけないの?」
http://www.insightnow.jp/article/1479
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。