営業組織は社内政治というパワーゲームに支配されやすいですが、その根本には"ヒト“至上主義があり、営業組織を生産的な組織に改善していくためには”ヒト“至上主義にメスを入れることが必要と考えています。
このような“ヒト”至上主義を緩和していくためには、どうすればいいのでしょうか。そのためには、組織内に“コト”主義を取り入れることが必要です。“コト”主義というのは、“ヒト”ではなく物事の内容( “コト” )が判断する際に最も重要になるということです。
“コト”主義を取り入れるためには、判断するための仕組みやルールを整備して、組織から属人的な要素を潰し込むアプローチが効果的でしょう。例えば、会議や何かを決めるときには、判断基準をみんなにわかるようにして、判断しなければならない事を、その基準にそって評価するなどです。営業会議の場を思い浮かべてみてください。今月の重点商品をどうしていくかといった事を検討する場合、よくあるのは部長がたまたま訪問したお客さまから聞いた話を持ち出して、重点商品が決められてしまうというものです。こういったことをなくしていくためには、重点商品の良し悪しを決める要素をいくつか設定して、各要素別に会議に参加している営業マネージャーが点数をつけて総合点で決めるというようにすると、ある程度防ぐこともできるでしょう。
ただ、営業組織では仕組みやルールを強化するだけでは不十分なことが多いのも事実です。営業組織の大きな問題点は、仕組みやルールが軽視されやすいことです。皮肉な話ですが、営業組織で先程のような仕組みやルールを徹底して、“コト”主義を定着させていくためには、現在、“ヒト”主義の中で絶大な影響力を持つ“人”の協力が欠かせないものです。この影響力のある“人”が全体に対して仕組みやルールを徹底するよう強く働きかけることで、営業組織に“コト”主義を定着させることができるようになります。しかし、通常影響力のある人は、“ヒト”主義の中枢にいて本人にとって居心地のよい状況いることから、ただ協力を依頼するだけでは難しいでしょう。営業企画部のような、営業戦略の実現に向けて営業組織全体の問題発見・解決を行うような部門に現場で強い影響力をもつ人材を異動させて、様々な仕組みやルールを推進する・定着させるミッションを背負わせることなどが必要となります。
営業組織内に“コト”主義を注入することによって、営業組織における“ヒト”至上主義に歯止めをかけ、パワーゲームによって疲弊する現場の営業の人が少しでも減ってほしいものです。
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