ゆとり教育、転換に2つの必要条件(後)

2009.03.11

ライフ・ソーシャル

ゆとり教育、転換に2つの必要条件(後)

寺西 隆行
(株)Z会

高等学校の新学習指導要領が9日発表されました。 「これで学力低下に歯止めがかかる!」 …少し安易な発想ではないですかね。 過去の検証から新しい施策を考察することは大切です。「ゆとり教育」「脱ゆとり」、教育に携わる自分なりの視点で。

じゃあ、何が「ゆとり教育」が生んだとされる「学力低下」から脱却するために必要なのでしょうか?大きな2つが、僕にはすぐ念頭に浮かびます。

・日本社会に蔓延している責任転嫁型大人が居辛くなるような社会の雰囲気を作ること。

・その上で、社会全体で自己解決型の人間を育成していくこと。

何よりも、何よりも、この2つが大切だと考えています。

今回の改訂では、学校で「教えてくれる内容」が増えたため「フォローする」時間が少なくなり、「落ちこぼれ」が「ゆとり教育」時代以上に出ます。
※もちろん先生方はそうならないように努力すべきですが、それは別問題。くどいようですが。
じゃあ、その「フォロー」を、社会が、家庭が、保護者が、やってあげる覚悟はありますか?

自子が「落ちこぼれ」になったからといって、学校や先生や行政のせいにしませんか?

これがクリアーできれば80%OK。
そして実際に問題解決できる人間に成長するような「仕組み」や「子どもへのまなざし」が社会全体に汎用されれば、間違いなく社会はハッピーになります。

そうなるように信じたいし、僕自体も大人として、できることは必ずやり抜きます。

「ゆとり教育」を「学力低下」の主因にする風潮が強いのは、残念ながら責任転嫁型、つまり、自分のせいではなく行政の施策のせいだ、という大人が多いからだと感じています。
今それは脱却しなければいけないとき。そして脱却する良い機会です。

不況は責任転嫁型の多い社会が生んだんだ~と、それこそ「責任転嫁」して(笑)、自己解決する出来事をどんどん積み重ね、社会にハッピーが溢れるような社会にしませんか?
そんな社会を、子どもたちと一緒に育みませんか?

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寺西 隆行

寺西 隆行

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文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

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