再考築<2>:能力の広がりと深み

2007.07.14

組織・人材

再考築<2>:能力の広がりと深み

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

【弊著・予告編】能力とは、自分の内にもつ『価値創造回路』である。その回路は、平面的な広がりと、垂直的な深みによって“ふくらみ”がきまる

【Book Fore-view #02】=======

さて、来月刊行の弊著からいくつか材料を選んで、
「働くこと」の再“考”築を促すトピックを紹介しています。
本記事はその2回め、
きょうは「能力」について触れたいと思います。

「能力」については、多面・多義的にその概念を説明することができますが、
私は今著作において、次の2つの観点で整理してみました。
つまり、

・能力の“平面的な広がり”
・能力の“垂直的な深み”

の2点です。

能力とは、ここでは職業人の「仕事を成す能力」としてみてください。
ちなみに、「仕事」とは、
INPUT <素材(モノや情報)を取り込む>
 ↓
THRUPUT <素材(モノや情報)を加工処理する>
 ↓
OUTPUT <何かの形や表現にして出す>
の過程でつくりだす価値、と私は定義しました。

私たちは、各々、仕事を成すための“能力の素”をさまざまに持ち合わせています。
たとえば、
「みる」とか「しる」、「きく」、
または、「かんがえる」とか「わかる」、「きめる」、
さらには、「かく」、「いう」、「つくる」などです。

こういった能力の素を縦横無尽に組み合わせて、
私たちは、さまざまに仕事を成します。
私は、この能力の素がさまざまに入った自分の中の器を

「価値創造回路=能力」と呼びます。

○能力の平面的広がり
この価値創造回路を、まず、平面的に上からみたのが下の図です。

能力がある人というのは、第一に、この上からみた面積が大きい人ではないでしょうか。

わかりやすいのは職人の世界だと思いますが、
ものを加工する場合、彼らは実に多くの技を状況に応じて使い分けします。
例えば、腕の立つ金属加工の職人たちの間では、
鉄を「けずる」場合、
「削(けず)る」、「挽(ひ)く」、「切る」、「剥(へず)る」、「刳(く)る」、
「刮(きさ)ぐ」、「揉(も)む」、「抉(えぐ)る」、「浚(さら)う」、
「舐(な)める」、「毟(むし)る」、「盗(ぬす)む」などさまざまあるそうです。

「機械職人は、『あと1ミリ削ってくれ』とはいいますが、
『あと100分の3ミリ削ってくれ』とはあまりいいません。
『あとイッパツ舐(な)めて、しっくり入るようにしてくれ』とか、
『表面が毟(むし)れていて、みっともないから、イッパツ浚(さら)って、
見てくれをよくしといてくれ』と言います」。
・・・・・小関智弘著『職人ことばの「技と粋」』より

私たち一般素人なら、「削る」で一緒くたなんですが、
職人たちは、これだけの能力の広がりを持っています。

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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