「マックスコーヒー」33年目の全国侵攻・その勝機

2009.02.22

営業・マーケティング

「マックスコーヒー」33年目の全国侵攻・その勝機

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

「マジ ハンパなく バリ 甘い」。とにかく目立つクリエイティブとベタベタなコピーが目を惹く駅貼りポスターがそこかしこに掲げられた2月。それは、千葉県民・茨城県民のソウルドリンク、「マックスコーヒー」が全国に販売エリアを拡大した証だった。

千葉・茨城以外にも早期に埼玉・栃木に出荷され、その後徐々に一部関東圏に販売エリアを拡大していたものの、マックスコーヒーは全国的にはほぼ無名だろう。その特徴を端的に伝えるなら、まさに「マジ ハンパなく バリ 甘い」となる。原料の乳成分に100%練乳を用い、さらに砂糖を加えたその味はとにかく甘い。知らずに飲んだら、これがコーヒーか!と心底驚くことになるだろう。その意味では「マジ ハンパなく バリ」は特徴を適確に伝える秀逸なコピーであると同時に、適確な警告でもある。

全国拡大に際して、ポスターだけでなく初のテレビCMも放映された。また、公式ホームページもノリノリで作られている。 http://www.georgia.jp/max/ 

中でも、「プロジェクトMAX」と題されたコンテンツ(動画)が秀逸だ。
<千葉・茨城エリアを中心に30年以上もの間、愛され続けている「 マックスコーヒー」。そのやみつきになるうまい甘さを守り続けた 男たちの甘くないドラマ>
某国営放送のドキュメンタリーシリーズを彷彿とさせ、なんだか、中島みゆきの歌声が聞こえてきそうだ。しかし、パロディーではない。確かにマックスコーヒーを誕生させ、育て、守ってきた「男たちの」姿がしっかりと描かれたドラマなのである。

マックスコーヒー誕生と今日までの歴史は、上記「プロジェクトMAX」と、ウィキペディアの記述を併読するとよくわかる。

1970年代、コカ・コーラブランドには缶コーヒーが存在していなかったが、競合は自販機に次々に設置。自販機オーナーなどから、「缶コーヒーを入れなければ、自販機を撤去せよ」と言われたと、当時の利根コカ・コーラボトリングの商品企画担当者が動画の中で当時を振り返える。地域のボトラーが市場の要請に対して「潤沢な資金のない中での開発(動画より)」をしたという、まさに地域ブランドであるわけだ。県民の支持も集まろうというものだ。

もう一つの転機は、コカ・コーラの缶コーヒーのナショナルブランド「ジョージア」に組み込まれたことだろう。マックスコーヒーを追うように発売されたジョージアは全国区だが、千葉・茨城での<1990年の売上実数でジョージア460万ケース、マックスコーヒー430万ケースとほぼ拮抗する状態(ウィキペディアより)>だったという。
明らかにグループ内でのカニバリゼーション(共食い)を起こしている。同一カテゴリー商品を同一ブランドや自社内で展開する場合、相互補完的な関係が望ましく、カニバリは販売・経費効率の低下を招くため絶対に回避したいところである。
<日本コカ・コーラとの基本契約の中には「コカ・コーラのマーク、車、自動販売機ではコカ・コーラ認定の商品しか扱ってはならない」の一項があり>契約違反になる懸念があったという。様々な協議の末<1991年4月15日にマックスコーヒーの印象を一部残した「ジョージア・マックスコーヒー」という「新製品」として発売することとなった> という。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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