ウエッジシェアリングと物を買う無駄の排除

2009.02.16

経営・マネジメント

ウエッジシェアリングと物を買う無駄の排除

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

ウエッジシェアは取りやすいところから取るということではないか?モノを買う無駄の排除を進めるべきでは?

最近「製造業の派遣切り」の問題がどこのTV番組や国会中継でも
大きな問題として取り上げられています。
ある番組では今こそ「ワークシェア」だけでなく
「ウエッジシェア」を考えるべきであるという論調もありました。

「ウエッジシェア」とは賃金を減らし、
多くの人で賃金をシェアすることで
失業者を出さないようにしていくという考え方です。
私自身この言葉を知らなかったのですが、
実は日本企業はこの「ウエッジシェア」を
今までも多様してきているのでは、という印象を持ちました。

今回はあくまでも何かの統計資料などで裏付けをとった話ではなく、
私の実感によるものなので間違っているかもしれませんが、
その前提で聞いていただきたいと思います。

90年代前半のバブル崩壊以降、日本経済は金融不況に陥りました。
元々、銀行、保険、証券会社が高給で有名だったと記憶しています。
私の大学卒業時には優秀な学生は殆ど金融に就職するような状況でした。
実際にメーカーに就職した私の給与と
金融に就職した友人の給与を比較すると
1.5~7倍程度も友人の方が高かった記憶もあります。

金融機関は金融不況を乗り越えるために
大幅な「ウエッジシェア」をしました。
実際に友人からは「30代前半から給与は下がる一方」という話を
聞いたこともあります。
金融機関の事務職の派遣社員化が一気に増加したのもそのころ。
つまり金融機関は90年代の金融不況を乗り越えるために、
正社員の絞り込みと正社員の「ウエッジシェア」を行い、
どうにかこの危機を乗り切ったのです。

一方で製造業は歴史的に給与が低い業界だったのですが、
それが2000年初頭から大分変ってきました。
製造業でも一時のリストラからの転換で
中途社員の採用を積極化したのです。
この当時は人材紹介会社に言わせると
バブル期以上の売り手市場だったとのこと。
製造業は優秀な社員の採用や引留めのために
大幅に賃金を増やしていったのです。
この当時の正社員賃金の源泉は
現場や事務作業の派遣等の契約雇用化であったと考えられます。

現在、製造業の製造現場や事務職社員の殆どは
派遣、請負という契約形態の方です。
これは90年代の初頭には全く考えられなかった。
私が入社したころは
「自動車会社で一番いいボーナスをもらうのは現場である」と言われ、
それが当然だと思っていました。
今は、全くそういう状況になっていないのです。

ここまで述べてきましたが、
経済学的に言うと賃金は「下方硬直性」を持っていて
一番下がりにくいものであると言われてきました。
しかし私は実はそうではないのではないか、と思っています。
実は一番てっとり早く手が打てるのが賃金なのです。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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