サブリミナルマインド&サブリミナルインパクト

2009.02.05

ライフ・ソーシャル

サブリミナルマインド&サブリミナルインパクト

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

神経科学的アプローチ、 つまり脳内の反応を直接測定するメリットは、 「人のホンネが正確に読める」 ということでした。 逆に言えば、 人が言葉で語ることはあまり当てにならない ということですね。

ただ、こう言い切ってしまうと、

「じゃあ、なんのためにアンケート調査なんかやるの?」

と言われてしまいそうです。

これに対する答えは3つあります。

1 調査対象者の行動は、「事実」としてある程度正確に把握できる。

2 購入意向などの心理状態(気持ち)についての回答も
  ある程度は信頼できるという前提に立っている。

3 他の方法よりも時間・コスト的に優位性がある

要するに、従来採用されてきた各種調査手法も、
限界はありつつも、相応の価値があるのだと言わせてください(笑)

さて、

人の言葉がいかに当てにならないか

もっと言えば、

自分の「意識」がいかにいいかげんなものか

について理解するためには、
下記の2冊の本がとても役に立ちます。

『サブリミナルマインド』
(下条信輔著、中公新書)

『サブリミナルインパクト』
(下条信輔著、ちくま新書)

どちらもタイトルに

‘サブリミナル’

という言葉がついていますが、これは

「潜在意識」

のことですね。

つまり、自分が意識できない無意識の世界。

私たちの行動の多くは、
無意識の世界の働きに影響を受けているのです。

著者、下條氏は次のように述べています。

“人は自分で考えているほど、自分の心の動きをわかっていない。
 人はしばしば自覚がないままに意思決定をし、自分のとった
 行動の本当の理由に気づかないでいるのだ”

上記2冊の本はこの意外な真実を実感させてくれる

各種実験

を示しつつ、広告などマーケティングの世界でも、
巧妙に活用されていることを解説しています。

例えば「偽の心音実験」。

これは、男子大学生のヌード写真に対する興奮度合いに対して、
自分がそれをどの程度認知しているか(意識しているか)を
調べるものでした。

被験者には測定機器をつけてもらい、

「これから10枚にスライド(ヌード写真)を
 1枚ごとに見せながら、心拍数を測定します」

と伝えます。

その心拍音は、
被験者にも聞こえるようにしてありました。

でも、実は測定機器はダミーで、
心拍音は実験者が鳴らしている機械音でした。

そして、被験者ごとに特定のスライドにおいて、
この偽の心拍音を速くしたり、遅くしたりしたのです。

この流れを2回繰り返した後、
被験者に、それぞれの写真の魅力度を聞きました。

すると、偽の心拍音が速くなった時に見ていた写真に対する
魅力度が他のものよりも著しく高かったのです。

これは何を意味しているのでしょうか。

本当は自分の心拍音でないにも関わらず、
自分の心臓の鼓動が速くなったと思い込んだだけで、
本人は、

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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