カオスの時代―選択から創造へ

 「100年に一度」といわれるカオス(混沌)の時代に、ベスト・プラクティスをリアルタイムで示すことは困難です。視野狭窄のプラクティスを回避する方法はあるのでしょうか。

 そもそも、ベスト・プラクティスは過去の成功事例です。「100年に一度」とは、誰も経験したことがない。従って、対処法が不明の事態を意味するものだと思います。私たちは、成功事例が存在しない時代を進まなければなりません。

 ベスト・プラクティスを示してくれる人がいるとすれば、それはリアルタイムでなく現在の不況期を過ぎた後で、後づけで過去を解説する識者でしょう。しかし、模範解答が示されるのを呑気に待っているわけにはいきません。

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 一昨年の夏に米国で起きたサブプライムローン問題の余波は、当初の楽観論から一転、錬金術を弄した米国大手投資銀行を壊滅させる事態となりました。低迷が続く米国自動車メーカーのビック3はすでに自律不能な状態です。

 18年という長期に渡りFRB(米連邦準備制度理事会)を率い、ゴッドハンド(神の手)ともてはやされたグリーンスパン前議長が10月の下院政府改革委員会公聴会で自身の失策を認めました。しかし、住宅バブルの犯人探しをしても、それで問題が解決するわけではありません。

 その巨大な破壊力は米国内にとどまらず、日本の含めた全世界に及んでいます。

 日本経団連の現会長である御手洗冨士夫氏が会長を務めるキヤノンは、10月27日の2008年第3四半期決算説明会で厳しい経済環境下にあるものの企業体質が健全であることを背景に、35%の超える連結配当性向(1株当たり110円)を予定していると語っていました。そのキャノンが12月に入り、大分県にある子会社の非正規社員1000人以上を削減する方針を明らかにしました。

 トヨタ自動車も日本国内のグループ会社だけでも数千人規模のリストラを予定しています。歴代の経団連会長を務めた企業が大規模なリストラを発表し、リストラの嵐が今後も続くことが容易に想像されます。3月末には失業者が10万人規模になると予想する声もあります。

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 解雇は非正規社員に限らず、正社員までも、さらに、新卒者の内定取り消しにまで及んでいます。

 事業縮小などの経営側の事情によって労働者を解雇することを整理解雇といいます。

 過去の多くの裁判例から、整理解雇の際には次の4つの要件を満たすことが求められています。

 (1)会社の維持・存続を図るために人員整理が必要であること
 (2)解雇に先立ち、新規採用の中止、希望退職者の募集、配置転換・出向など解雇を回避するための努力が尽くされたこと
(3)解雇対象者の選定基準が客観的かつ合理的であること
 (4)解雇予定者や労働組合に対して、整理解雇の必要性やその内容(時期・規模・方法など)について十分に説明し、当事者の納得を得るために相当の努力がなされていること

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