「共通言語」を生み出すCRMブランディング

2008.12.17

営業・マーケティング

「共通言語」を生み出すCRMブランディング

原 一真

より良いコミュニケーション戦略を構築するために、CRMやブランディングとどのように取り組むべきか。「共通言語」という考え方から、コミュニケーション戦略のあり方を探ります。

CRMブランディングの定義

CRMブランディングと言っても、一般の方にはなかなか馴染みのない言葉でしょうから、最後に定義しておきます。
「CRM」とは、「Customer Relationship Management」の略で、「顧客管理」や「顧客関係性管理」「顧客戦略」等と訳されることが多いようですが、顧客データに基づいて顧客満足を高めるための分析・販促活動を行ない、基本的には顧客の固定化によって販促コストを逓減することを目指すものです。従ってそこには、顧客データを「管理・分析」するためのインプット系のシステムと優良な顧客を呼び込むためのアウトプット系のシステムが存在します。

(概念的なCRMは「顧客中心主義」とも言うべきものであり、必ずしもITによるシステムを指すものではありませんが、大量な「商品・顧客情報」を収集・分析し、限られた時間で処理するためにはITシステムが不可欠になります。)

一方「ブランディング」は、「Branding」と綴りますが「~ing」という接尾語からも想像できるように「ブランド」を構築する一連の作業を指します。そして「ブランド」とは、商品やサービスや企業に付加する「価格以上の価値」のことです。つまり、商品やサービスや企業の価値を、より高めるものが「ブランド」です。従って、ブランドは物理的に存在するものではなく、顧客はもちろん、従業員などを含む全てのステークホルダーの心の中に存在するものです。

この「価格以上の価値」を保証し、競合商品と差別化するために可視化・可聴化したものがシンボルマークやロゴタイプ、サウンド・ロゴ、あるいはパッケージやユニフォーム、そしてテレビやインターネットなどの媒体(伝達メディア)を通じた広告だと考えればよいと思います。
(シンボルマークなどの可視的な記号がブランドではありません。社内でブランド論議などをする際によく混同されるので、その点には注意することが必要です。)

「CRMブランディング」を上記の内容から定義すると、「ITシステムによって収集・分析した顧客情報に基づいて、表現メディア・伝達メディアを効率的に活用し、商品やサービスや企業に対する価格以上の価値をステークホルダーの心の中に構築するコミュニケーション戦略」と言うことになります。もう少し感覚的に簡略化すると、「より良く顧客を知り、より良く顧客に伝え、より良い関係を築くコミュニケーション戦略」が「CRMブランディング」だと言えます。

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