CRMから考えるスピード経営の本質

2008.11.18

経営・マネジメント

CRMから考えるスピード経営の本質

原 一真

市場環境の変化に対応する「スピード経営」を どのようにして構築するか、CRMの視点から考えます。

では、このメッセージを、最も良く理解できるのは誰でしょう?
トップ・マネジメントでしょうか?

データと言うものは、伝達経路が長くなるほど、そのデータが持つ「体温」は
奪われてしまいます。数値から読み取れる「文脈」が、どんどん削られて
いってしまうからです。それは、相対的に「戦略仮説の精度」の低下を招きます。
顧客の行動データを最も適切に理解できるのは、顧客に接する「現場」の
はずです。
そして、これを可能にするためにCRMがあります。

もちろん、CRMシステムを導入すれば、自動的に売上が上がるというものでは
ありません。組織として機能するためには、購買時点の商品データや顧客データが
的確に集約され、マネジメント層へ上申される前に仮説化されなければなりません。
理想的には、「現場判断の強化=現場への権限委譲」が重要と言うことになります。
つまり、現場の判断力を支え強化するための仕組がCRMであり、それを
実現するための組織改革がエンパワーメントと言うことになるわけです。

現場に判断権限を委譲し、小さな成功を導き(小さな失敗は寛容し)、データを
「顧客メッセージ」として読み取り、日常の販売活動に反映させていくことに、
企業の体質改善を図る大きな意味があります。

従来型のデータ処理の概念では、市場の変化速度に対応することはできません。
データを顧客や組織内の「共通言語」として活用し、現場の「判断能力」と
「判断権限」を育成・拡大する手法を実現できた企業だけが、市場に生き残る
「スピード経営」を手に入れることができるのだと思います。

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