映画をネットで買う時代

2008.11.12

営業・マーケティング

映画をネットで買う時代

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

『CD不況・音楽好況』。音楽業界では、こんな言葉が定着しているようだ。つまりダウンロードで音楽ソフトは売れているけれども、モノとしてのCDはさっぱりダメ。この流れの先はどうなるだろうか。

昔ウォークマン、いまiPod。外で音楽を聴くといえば、それはiPodを使うことを意味する。もちろんiPodに入れる曲はネットで落としたものばかりとは限らないだろう。それまでに持っていたCDを入れている人もたくさんいるはずだ。特に30代以降の人はそうだと思う。

が、今の10代、そして20代前半の人たちはどうなのだろうか。わざわざCDを買ってから、それをiPodに移したりするだろうか。確かに契約の関係などで欲しい曲をiTunesで買えなければ、CDを買うケースもあるかもしれない。でも、ネットで手に入るならそうする人の方が多数派だと思う。

音楽の次は?

ではなぜ、ネットで音楽を買うのか。欲しいなあと思ったときすぐに手に入るからだ。この利便性は強力な麻薬である。以前はAmazonがそれに近い存在だった。「そうそうあのアーティストのあの曲を聞きたいなあ」と思えば、Amazonにアクセスして検索してクリック、で次の日には自宅に届く。とても便利である。

じゃあ次の日に自宅に届くのと、欲しいなあと思った瞬間にダウンロードして手に入るのとでは、どちらが良いか。答えは言うまでもない。だから『CD不況・音楽好況』となっているわけだ。

そして今日、YouTubeで長編映画の完全版を無料で見ることができるようになる、と書かれた記事を見つけた。たぶん、間違いない流れなのだと思う。もとよりiTunesでも映画を売っている。YouTubeならタダである。もっともまだまだどんな映画でも好きなようにとはいかないけれど、流れは確かにある。

ごく近いうちに、映画もネットでダウンロードしてみるのが当たり前になるだろう。だって、その方が圧倒的に便利だから。ということはそう遠くない未来には『DVD不況・映画好況』という状況になるのではないか。

ただし、そうなるためには家電業界と流通を誰かが説得しなければならないはずだ。なぜなら、そうなるとDVDもブルーレイも要らなくなる。さすがにモニターは大画面の方が良いからなくならないだろうけれど、少なくともDVDなどのパッケージメディアを再生するための機器は不要だろう。このあたりが意外な抵抗勢力となりそうな気がする。

またCDショップはいうに及ばず、レンタルショップも相当なダメージを被ることになる。そのあたり、どう折り合いを付けていくのか。

さらに映画のダウンロード販売が当たり前の時代になれば、ゲームソフトだってそうしてほしいと思う人はたくさん出てくるはず。そうすると『ゲームソフト不況(ちょっと言葉がフィットしてない気がする)・ゲーム好況』という状況だって十分に起こりうるのだろう。

というかコンテンツは基本的にダウンロード、となってしまうとまで考えるのは、行き過ぎなのだろうか?

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