PanasonicによるSANYO買収から、ブランド・ポジションのあり方を考えます。
家電市場というものを「で・ブランド」「が・ブランド」という区分で
とらえた場合、「Pain型」商品であれば、「で・ブランド」を選ぶという
「無印良品」的な(理性依存型?)消費はあるかも知れませんが、
「Pleasure型」商品においては、一般的には素直な「が・ブランド」が
大勢を占めるということになるでしょう。
もちろん、このことだけがブランドの明暗を分けた唯一の原因とは言えません。
三洋電機の場合、シェア獲得のために量販店ルートに「積極的」に商品を
振り向けたという話もありますし、「脱製造業」のために金融業にシフト
しすぎたという見解も聞かれます。
しかし、そのような多面的施策の問題以前に、何よりも、家電量販店の
売り場へ行けば、いやでも、その空間的な区分は目に入るわけですし、
そのような「見える部分」からブランドのイメージというものの多くは
形成されるわけです。
やはり、伝えるべき「ブランド価値」をどこかで見誤ってしまったと、
私には思えてなりません。
SANYOブランドは存続させるということが双方のトップ会談で合意された
という続報もありましたが、もし、家電市場における「Pain型」商品の
コモディティ化を戦略的に捉えることができ、自社ブランドの位置づけを
「で・ブランド」としていたら、「SANYO」ブランドの状況は
また違うものになっていたのではないでしょうか。
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