企画書を書くのが、面倒くせぇと思ったら。

2008.10.30

仕事術

企画書を書くのが、面倒くせぇと思ったら。

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

企画書を書くストレスをいかに軽減するか。 どのように考えたら、企画書を書くことが楽しくなっていくのか。 企画書を書くという行為に、どんな醍醐味があるのか。 その心構えについて、アホみたいな数の企画書を書いてきたおっさんが答えてみる。

プランナーだから当然なのだが、いろんな企画会議に出席する機会がある。
良い企画会議は、面白い。時間を過ぎるのを忘れるほどだ。
しかし、その楽しい企画会議の終わりに、これを次回までに誰がまとめるかという話しになる。
企画書として仕上げるのは誰かという問いが会議室の空気を凍らせる。

その会議で見えたことを、ちゃんと書面にするという面倒くさい行為を率先してやる奴は、なかなかいない。だって、みんな見えていることを、まとめるのって面倒くさいだけだもの・・・。

みんなが手を上げない中・・・
私は、若い頃から、率先して手を上げることにしていた。
面倒くさいことを率先して引き受けてきたから、20年に及ぶプランナー生活ができていると信じている。面倒だと思って引き受けていたら、こんなに長くは企画書を書き続けられなかったと思う。少し自慢だ。

心構えひとつで、
企画書を書くという面倒は、このうえなく楽しいものになっていく。

企画書を書くとは、
関わるみんなの「時間」を操作できる醍醐味が、実は隠されているのだ。

企画会議で流れていた時間を止めて→定着させる。
そして、次回には、その企画書から、
また時間を加速させたり、止めたりできる。
その企画に関わっている人達に同じく流れている「時間」を操作できるのだ。
ひとつのマジックみたいなものだ。これほど、面白いことはないっ。

みんなが寝ている時間に、1人だけ起きて、みんなの時間を引き受ける。
みんなに同じく流れていた時間に、1人だけ竿をさして起ってみる。
そう思うと、徹夜して企画書を書くのも面白くなっていく。

書家・石川九楊氏「WEDGE」9月号の中でこんなコメントを残していた。
「書くとは、過去と未来との対話でもあります。話す場合の文体、すなわち話し言葉の振る舞いは、話す相手や場に応じて、また時代とともに動いていきます。ところが書くときには、古い時代の文体を引き受けざるをえませんし、それを未来に送り届けていく作業ですから、軽々しく書けない。重く、煩わしいものです」
この言葉にいたく感銘する。
面倒で、煩わしいけど・・・
「書く」とは、未来と過去とを行ったり来たりするものなのだ。

企画書も同じ。
企画に携わるすべての者と、その企画の先にあるお客様達の未来と過去を行ったり来たりする。
企画書の書き手とは、タイムトラベラーみたいなものである。

「人」を「止める」と書いて、企てる。
では、「人」の何を止めるのか。
「目」を留めるのか。
「足」が止まるのか。
「心」に停まるのか。
ぜんぶひっくるめて「人に流れる時間」を止める画策が企画であって、
企画書とは、
その企ての過去と未来を行ったり来たりできるタイムマシーンである。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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