【変革を科学する#1】
チェンジマネジメントは論理よりも心理

2008.10.27

経営・マネジメント

【変革を科学する#1】 チェンジマネジメントは論理よりも心理

森川 大作
株式会社インサイト・コンサルティング 取締役

改革プロジェクトはなぜ思うように進まないのでしょうか?チェンジマネジメントの世界についてご紹介します。

変化の時代、と言われるようになって久しく感じますが、企業活動において変化の頻度とスピードは増すばかりです。組織が新しくなった、システムが変わった、これまでのやり方を改革しよう、新しい制度を始めようなどなど、大なり小なり変革の積み重ねです。一方で、改革を進めると人々のモチベーションが低下したり、抵抗する人たちが多くて改革が頓挫したり、なんとかやりきったと思ったら前の状態に戻ったり、思うような効果が上がっていないなど、改革プロジェクトの苦労話は枚挙に暇がありません。

多くの企業では、変革を自分の“業”とするプロフェッショナルが存在するわけではありません。自分の業務の傍ら、その改善や改革のためにグループを作ってなんとか自分たちでやってみようという人々が集まって改革が推進されます。トップが改革に真剣で、参画者の意識が高く、改革の方向性も共有でき、改革メリットも見えやすい場合、スームーズに進む可能性が高いでしょう。でも三拍子も四拍子も揃っていることは稀で、多くの場合、改革の成否は結局は出たとこ勝負、変化に対して行き当たりばったりという状況になってしまいがちです。その結果が、さきほどの苦労話ではないでしょうか。

チェンジマネジメントは論理よりも心理

改革の成功確率を高めるにはどうしたらよいか?それを考えることが、チェンジマネジメントの世界です。チェンジマネジメントでは、変革を出たとこ勝負ではなく、変革は分析し科学できる、つまり再現性のある制御可能なものであるという前提に立ちます。組織が生き続けるには、変化することが必然である以上、健全な組織活動には、変化を科学する力がないと生き残れません。変化に対して、組織はどんな現象を生じるか(What)、その現象はなぜ生じるのか(Why)、そのエネルギーをどのように制御し建設的に使うか(How)を考えること、これがチェンジマネジメントです。

チェンジマネジメントは、リーダーシップ、コミュニケーション、そして幾多の戦略理論が関係しており、言わばビジネスの総合力です。米国が大企業病に悩まされていたとき、大胆な業務改革の一種のブームの火付け役となったのが、BPR(Business Process Reengineering)の父祖とも言われるマイケル・ハマーです。その著書*1)には、ビジネスをプロセスに分解し、ゼロベースであるべき姿を見直し、プロセスを大胆に再構築するという主に論理的な変革の進め方が説明されています。日本の企業でも90年代にこぞってBPRを実施しましたが、折りしもバブル崩壊直後のリストラ(本来はリストラクチャリング=再構築なのですが・・・)の時期と重なり、BPRがネガティブに捉えられてしまい、成功しませんでした。その後コンピュータの2000年問題を機に、ERP(基幹業務)パッケージの導入と共に、BPRが語られるようになりました。21世紀に入り、これまでやってきた既存のビジネスのスリム化と見直しという意味合いから、新しいビジネスの構築という視点にシフトし、BPRがよりポジティブに捉えられるようになりました。ブルーオーシャン戦略*2)などは、その典型と言えるでしょう。これらの変遷はいずれも変革の“論理的”な進め方に重きを置いています。

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森川 大作

株式会社インサイト・コンサルティング 取締役

わたしはこれまで人と組織の変革に関わってきました。 そこにはいつも自ら変わる働きかけがあり、 異なる質への変化があり、 挑戦と躍動感と成長実感があります。 自分の心に湧き上がるもの、 それは助け合うことができたという満足感と、 実は自分が成長できたという幸福感です。 人生は、絶え間なく続く変革プロジェクト。 読者の皆様が、人、組織、そして自分の、 チェンジリーダーとして役立つ情報を発信します。

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